マリア 君たちが生まれた理由
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マリア 君たちが生まれた理由はアクセラから発売されたゲームソフト。『インタラクティブ・ドラマ』と称しているが、実際はテキストアドベンチャーである。1997年12月11日に、プレイステーション用とセガサターン用が発売。
1999年には、ブレイクより続編の『マリア2 受胎告知の謎』がプレイステーションで発売された。
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[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
自殺を図ったが、慈愛堂病院に運ばれ一命を取り留めた少女、筒井マリア。そんな彼女の担当医になった高野潤。その彼女をカウンセリングして行く内に、彼女が多重人格であり、11年前に起こった彼女の両親惨殺事件に巻き込まれていく…。
[編集] 主な登場人物
- 高野潤(旧姓は吉田)
- 主人公。新米外科医で学生時代は精神科の研究をしていた。11年前に失踪した父の歯のレントゲン写真をずっと持っている。なお高野の姓は遠戚。母が過労死した後に引き取られた。優しい性格の持ち主。レヴィ神父によると、『マリア2』では、医者の仕事はセミリタイア状態で、作曲に専念しているらしい。本作のEDに使用されたBGMは、彼が作曲したと言う設定。
- 筒井マリア
- 日本人(父)とフランス人(母)のハーフ。11年前に両親を目の前で殺され、多重人格者となった。カトリック信者である。両親の死後は、両親とは旧知の仲であるレヴィ神父が面倒を見ている。なお住民票では『マリア』ではなく『まりあ』である。ED次第で死亡してしまう。
- 神田利一
- 院長であり、幼少時に先天性臓器異常であった高野の治療した。高野にとって恩人でもあり、親代わり(ゲーム中でも、プライベートの時には高野の事を「潤」と呼んでいる)。事件の事を追及するにつれ、疑惑の渦が生じてきた。ED次第で死亡してしまう。『マリア2』では、行方不明扱い。
- 桑原医長
- 12年前の院長選で神田に敗れた内科医。性格は皮肉屋で気難しいが癌発見のスペシャリストで、腕は確か。しかし院長選前は情熱家で、この件に関しては神田院長にはめられたらしい…。
- 太田由美子
- 慈愛堂病院にいる看護婦。おしゃべりだが頼もしい。12年前に起こった医療ミス事件の重要な事柄を高野に告げる。マリアの世話も、やっている。
- 二階堂刑事
- 退職1ヶ月前の筒井夫妻惨殺事件担当の刑事。絶対諦めない事から『スッポンのヤス』と呼ばれている。マリアの様子を見て、違和感を覚えた…。
- ニコライ・レヴィ
- 希望が丘教会の神父。マリアの両親とも交友があり、彼女の保証人でもある。事件に関しての情報を与えてくれる事もある。なお、『マリア2』でも彼は登場している。
[編集] マリアに潜む人格
- マリアとは友好的な姿勢でいる。
- マリアの悲しみを引き受ける。オシリスとは、よく協力している。
- 攻撃的な性格で、太田を困らせた。マリアもろとも殺そうと目論んでいる。
- 一人称が「僕」で、冷静な人格。薬が嫌いとの事。
- まりあ
- 両親の復讐のために、待ち続けていた。
まりあ以外の人格名の元ネタはすべて、エジプト神話の登場人物。
[編集] 真相
事の始まりは、院内に起こった医療ミスである。神田が桑原をはめようとした物証を筒井弁護士(マリアの父)が押さえ、告訴する前日に、神田と高野の父は証拠品押収のために、筒井家に押しかけた。その際、筒井婦人には顔を見られて、神田はそのまま殺害。筒井弁護士は、高野の父と言い合いになり、棚の上にあったマリア像が頭部に直撃して即死。その後、高野の父は、マリアの祖母に殺害され、貯蔵庫に死体を埋めた。
太田は、神田がカルテの交換をしたのを目撃している。なお一連の事件の関係者は神田を除いて、ほぼ全員死亡している。
[編集] その他
- 本作の発売前に、ある精神科医が「多重人格をゲームで取り扱うことは誤解を招く」としてメーカーに抗議を行い、一部メディアで記事として取り上げられることとなった。
- 『マリア2』は本作の2年後と言う設定。4つのEDで「神田が行方不明になり、マリアが自殺してしまうルート」が『マリア2』で採用された様だ。