ミッキー・ローク
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ミッキー・ローク(Mickey Rourke、1956年9月16日-)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身の俳優、ボクサー。本名はPhilip Andre Rourke Jr.(フィリップ・アンドレ・ローク・ジュニア)。
[編集] 略歴
幼少期に両親の離婚を経験。母に連れられて弟、妹とともにマイアミに移住した。そこで、母が5人の子供を持つ警察官の男性と再婚した。しかし、その地での生活は惨憺たるもので、実際は生計を立てるのがやっとといわれている。遂に非行に走り、荒みきった思春期を送る。その中でボクシングと出会い、熱心にジム通いを続けたという。だがマイアミの悪友達からハバナの葉巻や酒を教えられ体力が低下しボクシングとは疎遠になる
俳優としてのキャリアは、彼が19歳を数えた頃ニューヨークへ単身で渡った事に始まる。家具倉庫の運搬人やサウナの従業員などのアルバイトに明け暮れながら演劇を学び、小さな舞台にたちながら収入につなげていた。
新たな活躍の場を求めて映画のメッカ、西海岸ロサンゼルスに移った彼は、1979年の『1941』で映画デビュー。幸いなことに同年、TVドラマでも役を得て、本格的に売り出した。この時期ドラマで競演した女優デボラ・カーと結婚する。1981年『白いドレスの女』が最初の代表作となり、全米中の注目を浴びる。ボクシングで培った肉体美を擁し、セクシーな魅力に加え危険で野性味をそろえた個性は、たちまち80年代のセックスシンボルと賞され、世界中を虜にした。日本でも幾つかのCMで起用されるほど契約が殺到。幅広い年代層に支持され格段に知名度をあげた。
一世を風靡した主演作品は『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』、『ナインハーフ』と、すべて80年代に集中。いづれの監督も俳優ミッキー・ロークの個性を如何なく活かしきった。その後『エンゼル・ハート』では、謎めいた事件を依頼された私立探偵を、『ホームボーイ』では自ら原案を書き、監督、主演を務め、友人のエリック・クラプトンにサントラを任せる。男臭い孤高な格闘技の世界を見事に表現。精神的に傷つききった流れ者のボクサーである主人公の姿には、かつてのミッキー・ロークのすがたが投影されているほどのリアリティを映し出した。
1992年、『蘭の女』で共演したキャリー・オーティスと再婚。その後も主演作を撮りつづけるが、1996年『欲情の媚薬』以降は急速にキャリアは下降線を辿り、かつて見せた冴え渡る個性は影をひそめ幾度かの整形手術(通説では失敗したことになっている)、体重の変化(肥満による体型の崩れ)、妻の薬物中毒とその売人への暴力事件などでイメージや風貌がすっかり変わってしまった。90年代後半も、製作された主演作の殆どがビデオリリースという規模に留まり、不本意ながら大半が日本未上陸のままとなっている。2000年以降は「バッファロー66」「レインメイカー」など殆ど脇役が多い。
しかし、2005年の出演作『シン・シティ』では復讐に燃える孤独で痛々しい主人公を熱演し、静かな感動を呼んで久々に脚光を浴びた。2007年公開予定の続編では同じ役で出演も決まっており、新たな復活の兆しが見えている。
尚、余談ながら日本においては安原義人がミッキー・ロークの声の殆どを吹き替えることが多く、語り口やキャラクターも見事に一致を見せているため広く親しまれている。
[編集] 来日試合
- 1992年、ボクシングの試合のため来日し武道館でメインを張った。記者会見上で「1ラウンドKO」を宣言するなどマウスパフォーマンスも忘れなかった。得意技(というより闘拳スタイル)は腰の使い方と拳の振り方から特徴的であったため、猫パンチというあだ名が付けられた。だが、ファンの間ではあまり好評とはいえなかったようで、むしろ不恰好さで話題を呼んだ。試合内容はともかく、来日してからの注目度はまさにハリウッドスターであった。因みにこの試合の前座はWBCのタイトルマッチで、勇利アルバチャコフが王座を奪取した。
[編集] 出演作品
- 天国の門 Heaven's Gate (1980)
- 白いドレスの女 Body Heat(1981)
- ダイナー Diner (1982)
- ランブルフィッシュ Rumble Fish (1983)
- パッショネイト 悪の華 Village Dreams (1983)
- イヤー・オブ・ザ・ドラゴン Year of the Dragon (1985)
- ナインハーフ 9 1/2 weeks(1985)
- エンゼル・ハート Angel Heart (1987)
- 死にゆく者への祈り A Prayer for the Dying (1987)
- バーフライ Barfly (1987)
- ホームボーイ Home Boy (1988)
- フランチェスコ Francesco (1989)
- ジョニー・ハンサム Johnny Handsome (1989)
- 蘭の女 Wild Orchid (1990)
- 逃亡者 Desperate Hours (1990)
- ハーレーダビッドソン&マルボロマン Harley Davidson and the Marlboro Man (1991)
- ホワイト・サンズ White Sands (1992)
- ラスト・アウトロー The Last Outlaw (1993)
- フリーライド F.T.W (1994)
- 男たちの危険な午後 Fall Time (1995)
- ハード・ブレット/仁義なき銃弾 Bullet (1995)
- 欲情の媚薬 Exit in Red (1996)
- ナインハーフ2 Love in Paris (1997)
- レインメーカー The Rainmaker (1997)
- ダブルチーム Double Team (1997)
- バッファロー'66 Buffalo'66 (1998))
- アニマル・ファクトリー Animal Factory (2000)
- 追撃者 Get Carter (2000)
- ブラック・ビードル They Crawl (2001)
- プレッジ The Pledge (2001)
- ピクチャー・クレア Picture Claire (2001)
- SPUN スパン Spun (2002)
- ボブ・ディランの頭のなか Masked and Anonymous (2003)
- レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード Once Upon a Time in Mexico (2003)
- マイ・ボディガード Man on Fire (2004)
- ドミノ Domino (2005)
- シン・シティ Sin City (2005)
- ストームブレイカー Stormbreaker (2006)
- シン・シティ2 Sin City 2 (2007)
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