メビウス症候群
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メビウス症候群(メビウスしょうこうぐん、Mobius (或は Moebius) syndrome)は、非常に稀な神経異常。
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[編集] 臨床徴候
メビウス症候群は脳神経の異常発達により、原因は脳神経VI(外転神経)と脳神経VII(顔面神経)で起こり、稀に脳神経V(三叉神経)と脳神経VIII(内耳神経)で起こる。
脳神経VIで発症すると側方注視が失われる。脳神経VIIで起こると顔面神経麻痺 (FP) になる - 無表情で口が常に開いている状態。脳神経VIIIで発症すると難聴になる。
脳神経VIとVIIの麻痺による、泣く、笑うの表現が無表情の為、誕生時に発見することが出来る。
その他の特徴:
- 手足の異常 — 指の間の水かき、短い、5本以上の指などが起こる場合がある
- 吸う能力が異常
- 目で動くものを追えない、
- 内斜視
- 笑う表情が出来ない
- 舌の運動の制限
後に患児は言語困難、内斜視、異常に小さい目、気管支肺炎などにかかることがある。
[編集] 治療
決まった治療法は無く、症状によって援助的、調和的に行う。患児は十分な栄養の補給のために栄養チューブを使うこともある。内斜視や四肢の改善、顎の変形の治療などのために外科手術が行われることもある。運動、スピーチ療法は発話能力、食事能力の改善に役立つこともある。整形外科手術が有効な場合もある。
[編集] 病理学的説明
メビウス症候群の原因は分かっていない(多くが原因不明、その他の少数が遺伝的原因)。