ヤコビの虚数変換式
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数学においてヤコビの虚数変換式(Jacobi's imaginary transformation)とはテータ関数に関する次の恒等式をいう。
この恒等式の日本語の呼称は定まっていず、ヤコビの虚数変換式、ヤコビのモジュラー変換式、或いは単にヤコビ変換式とも呼ばれる。テータ関数は二変数の関数であるが、第二変数を純虚数の定数として第一変数に着目すれば「虚数変換式」という呼称が的を射て、第一変数を定数として第二変数に着目すれば「モジュラー変換式」という呼称が的を射る。
[編集] 楕円関数の虚数変換
ヤコビの楕円関数はテータ関数の比により表される。楕円関数の周期をK,iK'とすると
テータ関数の虚数変換式により
となり、虚数変数の楕円関数を得る。
[編集] 証明
の虚数変換式の両辺の比をf(v,τ)して恒等的にf(v,τ) = 1であることを証明する。テータ関数の二重周期性により
であるから、f(v,τ)はvの関数として二重周期を持つ。また、テータ関数は極を持たず、零点は
であるから、f(v,τ)はvの関数として複素平面全体で有界である。従って、リュービュの定理によりvには依存しない。
分子のnが奇数の項は正負で打ち消しあうから偶数のnを2nに改める。
先に示したようにf(v,τ)はvに依存しないので
であり、f(v,τ)はτにも依存しない定数である。その値は
である。