ランバダ
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ランバダ (Lambada) とは、南米から発祥し、1980年代後半に、世界的に有名になったダンスの一部である。起源はブラジルのフォロ、マシシュ、カリンボなどにあるとされる。下に述べるヒット曲の経緯からボリビア起源説を述べる人もいるが、ボリビアには類似のダンスは無い。
腰をくねくね動かすパフォーマンスと、ときに片足を相手の股の間に入れて腰をすり寄せる格好をする、極めてエロチックなダンスとして話題になった。当時日本で流行していたディスコでは、そのエロチックさにランバダを踊ることを禁止する所も現れた。
このダンスのための曲として、フランスの「カオマ」(Kaoma) というグループが1989年に「Lambada」というヒット曲を出した。また、カオマの曲はいろいろなアーティストがカバーし、日本では特に石井明美がカバーしたことでも知られている。
しかし、このカオマのランバダは、ボリビアを代表するフォルクローレグループであるロス・カルカス (Los Kjarkas)のオリジナル曲「Llorando se fue(ジョランド・セ・フエ:泣きながら去った)」を無断で盗用した曲であった。原曲は愛する人との悲しみの分かれを歌った、哀愁のあるしっとりとしたものであったのに対し、カオマは曲調をアップテンポにしてエロチックなダンスをつけた。当時ボリビアは著作権保護の法整備が進んでいなかった事もあり、カオマが法的に裁かれることはなかったが、原曲を知る人たちの中には、カオマの行為に憤りを感じ、全く異なるイメージの曲として全世界に広まってしまったことを悲しむ者も少なくなかった。
1990年には映画「ランバダ/青春に燃えて」が公開され、のちにブレイクするジェニファー・ロペスも出演していた。