ラーの翼神竜
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ラーの翼神竜(―よくしんりゅう)とは、コナミが製造・販売している、遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズのトレーディングカードである。
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[編集] 概要
使用不可カード
神属性/レベル10/幻神獣族/攻????/守????
精霊は歌う。大いなる力、すべての万物を司らん。その命、その魂、そしてその骸でさえも。
三幻神の1体。第2期にゲーム特典として登場した、「幻神獣」と呼ばれる神の一体の写し身。公式のデュエルで使用できないモンスターであり、それを証明するかの様に裏側が通常とは異なる仕様になっている。そのため、使用する際には裏側が分からない様に色付きのスリーブに入れ、相手に使用の了承を得たうえで使うことが望ましい。
[編集] 原作・アニメにおいて
- 「バトルシティ編」本戦である「孔雀舞vs闇マリク」戦で初登場。
- 英語名は「THE SUN OF GOD DRAGON」。
- 以来、「城之内vs闇マリク」戦、「闇遊戯vs闇マリク」戦など、多数のデュエルに登場している。「デザイナーであるペガサスが能力を記した文字を解読できなかったために、その文字をそのまま記した」という設定のもと、物語の進行に準じて徐々に能力を進める形式がとられていった。ラーが具現化された際、古代神官文字を読みあげない限り動きださないという、特殊極まるモンスターである。闇マリク戦後は闇遊戯の手に渡り、他の二神同様に彼を支えてゆくことになる。また作中にはコピー版も登場しているが、そのことごとくがラーの怒りに触れて使用者が戦闘不能に陥ったとされた。なお「神々のランクの中で最高位という存在で一線を画し、同レベル以下のモンスターの特殊効果を一切受け付けない」という設定も付け加えられている。(アニメではそのような耐性がないため、代わりに「階級制度」というカードで対応した。)アニメでは、「マリクvs闇獏良」戦で闇獏良がこのカードを生け贄召喚している。しかし、「生け贄召喚の生け贄の攻撃力を0にし、その数値分、自分のライフを回復する」通常罠「歓喜の断末魔」を発動され、その攻撃力は0となってしまった。また、「アテムvs遊戯」戦ではアテムが古代神官文字を唱え、召喚する姿も見られる。なお、アニメ版では通常召喚された状態でも特殊召喚時の効果を使えると「アテムvs遊戯」戦でマリクは答えている。
- 攻撃名は「ゴッド・ブレイズ・キャノン」、相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する効果名は「ゴッド・フェニックス」。
- 原作での効果をOCGに直すと以下の通り。
- 生け贄召喚するには生け贄を3体捧げなければならない。このカードの攻撃力・守備力は、生け贄召喚時に生け贄に捧げた3体のモンスターの元々の攻撃力・守備力を合計した数値になる。このカードが特殊召喚されていた場合、エンドフェイズ時に墓地に送られる。このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、このカード以外のモンスター・罠の効果を受けず、魔法の効果によっては自分フィールド上から離れず、裏側表示にする事もできない。また、このカードはこのカードよりランクの低い神の効果を受けず、発動と効果も無効化されない。このカードが墓地から特殊召喚に成功した時、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。●1000ライフポイントを払う。このターン、このカードは破壊されず、このカードと戦闘を行ったモンスターをダメージ計算を行わずに破壊する。 ●自分のライフポイントを1残すように払う事で、このカードの攻撃力・守備力は支払った数値だけアップする。その際、自分フィールド上に存在するモンスターを任意の枚数生け贄に捧げる事で、このカードの攻撃力・守備力は生け贄に捧げたモンスターの攻撃力・守備力分だけアップする。この効果を適用中のバトルフェイズのみ、このカードは自分の「融合解除」の対象にする事ができる。「融合解除」の対象にした場合、このカードの攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する。その後、このカードの攻撃力は0になる。
- アニメGXでは「十代vsフランツ」戦に登場。
- 研究のためI2社で保管されていたコピーカードを社員であるフランツが盗み出して使用した。コピーカードを使った者は神の怒りに触れる筈だが、彼はフィールド魔法「神縛りの塚」を創造しており、その効果で神のコントロールを一般人でも可能とした。劇中では「血の代償」を用いて生け贄を確保し高速で召喚したのだが、最終的には十代に墓地から蘇生され十代の勝利となった。最終局面では「神縛りの塚」はフィールド上に存在していなかったが、十代はコピーカードのラーをコントロールできた。また、通常召喚された状態でも特殊召喚時の効果を使え、相手モンスター1体を破壊する効果が相手の場のすべてのモンスターを破壊する効果に変更されている。
[編集] ゲームソフトにおいて
- GB版DM4でのみ「墓地のモンスターと、相手フィールド上のモンスター全てを、自分のフィールドに召喚する。」という効果を持つ。これは、DM4における《死者蘇生》と《心変わり》の効果を発動する特殊能力である。原作よりも先に登場させることになったせいで、急拵えに付加された能力なのだろう。実物カードのテキストは、この能力の名残である。
- その後、DM8で再登場。こちらは「球体」(スフィア)、「通常」(バトル)、「不死鳥」(フェニックス)とそれぞれ別のカードとして扱われた。神を名乗るだけあって通常形態、フェニックス形態*1共に異常なまでに強かった。(バトルモード:相手に「自分のライフ-1」ポイントのダメージを与える。 フェニックスモード:1000ライフ払い敵モンスターを全破壊+下記効果)フェニックス形態を能動的に手札から捨てるだけで通常形態が現れるというまさに悪夢ともいえる効果を有していたため、超高速1ターンキルが可能であった。上記ゲーム内では機械族であり、いずれも攻撃力/守備力は4000に固定されている。
- DSの「遊戯王デュエルモンスターズ ナイトメアトラバドール」にて、ゲームではあるもののOCG初の公認使用が可能になった。
- その際の効果は以下に。
- 効果モンスター(デッキ1種制限カード(禁止カード))
- 星10/神属性/幻神獣族/攻 ?/守 ?
- 生け贄召喚するには生け贄を3体捧げなければならない。このカードの攻撃力・守備力は、生け贄召喚時に生け贄に捧げた3体のモンスターの元々の攻撃力・守備力を合計した数値になる。このカードが特殊召喚されていた場合、エンドフェイズ時に墓地に送られる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードを魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできない。 このカードが特殊召喚に成功したとき、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。●1000ライフポイントを払うことで、フィールド上に存在するモンスター1体を破壊しゲームから除外する。●自分のライフポイントを1残すように払う事で、このカードの攻撃力・守備力は支払った数値だけアップする。
- カード耐性は弱体化したが、原作でも猛威を振るった特殊召喚時の誘発効果は受け継がれている。効果は他の神に劣るともいわれるがあくまで相対的なものである。モンスターというよりは、1ターンキル用の魔法に近いだろう。もっとも、攻撃力上昇効果に《スキルドレイン》をチェーンされると惨憺たることになるのだが。 なお、「スピリットサモナー」では、《早すぎた埋葬》で特殊召喚した場合、なぜかタイミングを逃してしまうため効果を使用できない。
[編集] 神話・伝承において
- ラーとは、古代エジプトにおける太陽神である。ヘリオポリスで栄えた太陽信仰によって、オシリス(「オシリスの天空竜」を参照)を追い落として最高神とされた。太陽そのものを意味し、昼と夜の移り変わりはラーによってもたらされるものと考えられた。毎日「数百万の船」と呼ばれる船に乗って天空へと登り、昼の間は地上の12州(12時間)を照らし、夜の間は冥界の12州を旅するとされる。その航海の間は、ラーは蛇の悪魔アポピスと戦わなければならないという。オシリスを追い落としたラーは後に、第12王朝の首都がテーベに決まった際に、テーベを守護する大地の神アメンと融合してアメン・ラーとなり、神々の王の地位を磐石たるものにする。