ロイヤル・ダッチ・シェル
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ロイヤル・ダッチ・シェルは、オランダのハーグに本拠を置く世界第2位の石油エネルギー企業であり、3大メジャー(国際石油資本)のうちの1社である。グループ企業は145の国に広がり、全体で11万9千人以上の従業員がいる。 直近の年間業績で売り上げが318.84B(米ドル、邦貨換算で約37兆6400億円)で営業利益(EBITDA)が55.64B(米ドル、邦貨換算で約6兆5700億円)である。
3大メジャーとはエクソンモービル(米)、ロイヤル・ダッチ・シェル(蘭)、BP(英)の3社のことであり4位以下との間に圧倒的な差をつけて全世界で活動している巨大資本である。
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[編集] 概要
ロイヤル・ダッチ・シェルは2005年まではオランダの事業親会社ロイヤル・ダッチ・ペトロリアム (Royal Dutch Petroleum N.V.) 、イギリスの事業親会社シェル・トランスポート&トレーディング (The Shell Transport & Trading Company plc) の2つの法人が60:40の比率でアライアンスを組んだ状態(二元上場会社)が100年近く続いてきたものでありロイヤル・ダッチ/シェル (英・蘭)というような表示をされて一般世間では便宜的に単一の会社であるように理解されていた。 しかし、あくまでも2社の事業提携(アライアンス)状態であり単一の事業法人ではなかった。 ロイヤル・ダッチ/シェル グループと呼ぶ場合もあったのはその現れであった。
しかし、2005年5月に双方を統合した単一の事業法人ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell plc.、本社:オランダ・ハーグ)が設立された。 これは株主からコーポレートガバナンス(企業統治)上の透明性を向上させるべきであるとの要求が近年高まっていたことの結果であると推定される。
現在、ニューヨーク証券取引所(ティッカーシンボル:RDS.A・RDS.B)、ロンドン証券取引所、ユーロネクスト・アムステルダムに株式を上場している。
[編集] 事業分野
その他、燃料電池車のための水素供給など、新燃料の分野でも幅広く活躍している。
[編集] 歴史
シェルの歴史は1833年にマーカス・サミュエル Marcus Samuel, 1st Viscount Bearsted(後に初代バーステッド子爵)が開店した小さな骨董品店からスタートする。そこでは日本から輸入した貝殻を扱っていたが、人気となり利益も大きかったため、輸出入事業に進出していった。貝殻をモチーフにした現在のシェルのトレードマークであるペクテンのマークの起源はここにある。後に息子たちが後を継ぎ、石油事業にも進出するようになるが、これが大規模なものになってきたので、「シェル・トランスポート・アンド・トレーディング・カンパニー」を発足させる。
一方、ロイヤルダッチの起源はインドネシアにおいて石油開発をすすめるオランダ領東インド石油開発会社で、シェルとはライバルであったが、シェルに石油運搬を委託していた。
その後、米ロックフェラー系のスタンダード石油(現:エクソンモービル)との競争が世界各地で熾烈になったため、双方はそれに対抗して石油の利権を確保するため業務提携し、1907年に事業提携し「ロイヤル・ダッチ/シェルグループ」を形成することになった。
そして、その事業提携の状態が事実上の単一企業と看做された状態が100年近く続いてきたわけである。しかし2001年ごろから傘下の油田の石油埋蔵量を下方修正するなどの財務上の問題が明らかになり、株主より企業統治の形態を透明化するために単一の法人になることを求める圧力が急激に強まり、2005年に98年間続いた2社提携の状態に終止符を打ち合併して単一の法人になった。
[編集] ロイヤル・ダッチ・シェル傘下の日本法人
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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