ロザリー
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ロザリーは、池田理代子著の漫画『ベルサイユのばら』に登場する、実在しない人物。フランス王妃マリー・アントワネットがコンシェルジェリー牢獄に収容された際、死刑執行直前まで世話したとして知られている、平民出身の女中ロザリー・ラ・モリエール(獄中での王妃について手記を残している)をモデルにしている。
[編集] ベルサイユのばらの中での役割
パリの街で偶然にオスカルに出会う。その後、不幸にも、母親を貴婦人の乗った馬車の事故で亡くし、少女にして身寄りをなくす。母親の敵討ちを試みた際にオスカルと再会し、哀れみをかけられ、オスカルの屋敷に引き取られる。オスカルには、「私の春風」「妹のようだ」とかわいがられており、ロザリーもオスカルのことを慕うようになった。
その後、実は実の母親は有力な貴婦人であることを知り、オスカルが苦境に陥ったとき、その政治力に頼るために実の母親の下に戻るが、政略結婚をさせられそうになり、そこを逃げ出す。やがて、平民の新聞記者・ベルナール・シャトレと知り合い、身の回りの世話をしているうちに愛し合うようになり、結婚し、幸せに暮らす。バスティーユの戦いで死亡するオスカルを看取り、また、マリー・アントワネットを死刑直前まで牢獄で心をこめて世話をした。
大きな目をし、愛らしい容姿で、かわいいだけでなく、芯のしっかりした理知的な女性。また、貴族に手討ちにされそうになった子どもをかばうなど優しい性格でもある。
[編集] その他
ナポレオン・ボナパルトを主題とした「栄光のナポレオン-エロイカ」にも登場する。そこでは、理想を貫き、度々政治的に弾圧される夫・ベルナールを支える賢夫人として描写されている。生活は貧しく、苦労は絶えないが、フランソワという子にも恵まれ、ベルナールとの生活は幸福であったようだ。ベルナールがナポレオン暗殺を企てると、ベルナールの指示でスウェーデンに亡命した。フランソワがオスカル1世の家庭教師となり、フランソワとフランスの行く末について話している場面以降、ロザリーは登場しなくなり、その後、ロザリーがフランソワとどのような人生を送ったのかは不明である。
アランが未だにオスカルを想っていることをベルナールから聞かされたロザリーが「オスカルさまはあたしのよー」と叫ぶシーンがあり、終生オスカルを忘れることが出来なかったであろうことがうかがえる。