ワラビ
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ワラビ | ||||||||||||||
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ワラビ |
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分類 | ||||||||||||||
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ワラビ(蕨、Pteridium aquilinum)はシダ植物の1種。草原、谷地、原野などの日当たりのよいところに群生している。酸性土壌を好む。山菜のひとつに数えられている。
春から初夏にまだ葉の開いてない若芽(葉)を採取しスプラウトとして食用にするほか、根茎から取れるデンプンを「ワラビ粉」として利用する。ただし、毒性があるためそのままでは食用にできない。
[編集] 特徴
茎は地下を横に這い、よく伸びる。葉は冬には枯れ、春に新芽が出る。成長すると0.5~1m くらいの背丈になる。葉は羽状複葉で、小葉にはつやがなく、全体に黄緑色で、やや硬い。
森林内に出ることは少なく、火事、植林地などの攪乱されて生じた日当たりの良い場所に出現する。山腹の畑地周辺などにもよく出て、大きな集団を作る。
[編集] 利用
- 葉の調理法
- 採取する時は手で根元付近から折り取る。きれいに折れない硬いものは食用に向かない。
- ワラビは山菜の中でも灰汁が強く、食べる為には灰汁抜きが必要である。ワラビの上から重曹や木灰をふりかけ、沸騰した熱湯をその上からかけ一晩置く。翌日きれいな水で洗いアクを流し、調理する。おひたしや漬物、味噌汁の実などとして食べる。
- 中毒
- 牛や馬、羊などの家畜はワラビを摂取すると中毒症状を示し、また人間でもアク抜きをせずに食べると中毒を起こす。毒成分はプタキロサイドで発癌物質でもある。また、調理したものであっても大量に食べると体じゅうが大量出血症状になり、骨髄がしだいに破壊され死にいたる。しかし、ワラビ中毒がきのこ中毒のように問題にならないことから判るように、副食として食べている程度ならば害はない。またアク抜き処理をすればプタキロサイドはほとんど分解する。ワラビでがんを発病するためには、1度にトラック1杯分のワラビを摂取しなければならない。