ワルター・フォン・シェーンコップ
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ワルター・フォン・シェーンコップは、銀河英雄伝説の登場人物。
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[編集] 略歴
帝国暦455年7月28日生まれ(コミック版のデータより)。6歳の時に帝国から祖父母に連れられて同盟に亡命。16歳で同盟軍士官学校に合格したが入学せず、かわって陸戦部門の「軍戦科学校」に入学。18歳で伍長の階級で任官し、武勲を重ねて19歳で曹長、20歳で准尉に昇進。21歳の時に推薦を受けて第16幹部候補生養成所に入り22歳で修了、少尉に任官。この時ローゼンリッターに入隊し、小隊長として39名の部下を預かる。30歳の時は中佐/ローゼンリッターの副連隊長。ヴァンフリート4=2での戦いを経て宇宙暦794年8月15日に大佐/ローゼンリッターの連隊長となった。
宇宙暦796年、第13艦隊に連隊ごと配属され、5月14日の第7次イゼルローン攻防戦で帝国軍を装って要塞に侵入、無血占領を実現し、准将に昇進した(アニメ版では要塞コンピューターの制圧を必要とする事態が生じた為、その過程で帝国軍に死傷者が出ている)。アムリッツァ会戦後に要塞防御指揮官としてイゼルローンに赴任。
救国軍事会議のクーデターでは惑星シャンプールを3日で制圧、さらに脱走を装ってヤン艦隊に乗り込んで来たバグダッシュの意図を見抜いてヤン暗殺を阻止し、クーデター終結後に少将に昇進する。
第8次イゼルローン攻防戦では、ヤン不在の為不慣れな戦闘指揮を執らざるを得なかったキャゼルヌを補佐し、ラグナロック作戦中のイゼルローン要塞攻略作戦では帝国軍の作戦を逆手にとって戦艦トリスタンに乗り込み、ロイエンタールとの一騎打ちを演じた。この作戦で要塞を放棄してハイネセンに戻った時点で中将に昇進したが、バーラトの和約で同盟が帝国に実質的な無条件降伏をした事で、宇宙暦799年5月に退役した。
7月にヤンが同盟政府に逮捕されると、アッテンボローと共謀して反乱を起こし、旧ローゼンリッターとバグダッシュ、連絡してきたフレデリカとともにヤンを奪回した。さらにジョアン・レベロとレンネンカンプを拉致して同盟政府に取引を持ちかけ、ヤン一党のハイネセン脱出を実現させた。イゼルローン要塞の再占領作戦ではユリアンやポプランと要塞に侵入して奪回に成功した。
シヴァ星域会戦ではプリュンヒルトに突入してユリアンがラインハルトに談判する為の時間稼ぎをしたが、戦闘が一段落して僅かに油断した時、背後で倒れていたクルト・ジングフーベル軍曹に戦斧で背中を切り裂かれ、周囲を威圧しながら階段を上がり、相手を見下ろしながら絶命した。その正確な時刻は不明だが、宇宙暦801年6月1日午前2時50分より少し前と推察されている。
[編集] 能力
白兵戦技は非常に高い実力を有する。直接戦ったジークフリード・キルヒアイスやオスカー・フォン・ロイエンタールとはほぼ互角であり、かつて若い頃に負けたリューネブルクと再戦した時には、その実力は上回っていた。したがって、これら相互の技量の比較から、旧帝国のオフレッサー上級大将に次ぐ実力の持ち主と推察されているが、両者が直接戦った事は無い。知能的にも非凡な才能があり、その戦略/戦術のセンスは高く評価され、広い視野と鋭い洞察力を持つ人物であると評されている。
[編集] 人柄
キャゼルヌやアッテンボロー、ポプランに勝るとも劣らぬ毒舌家。また、類まれな美男子とされており、イゼルローン要塞ではポプランと並ぶ女好きの双璧。関係を持った女性の数は本人も「いちいち覚えて」おらず、後に娘がいることが判明した時も、本人は相手のことさえはっきりと覚えていなかったような言動をしている(死の間際に思い出した)。ただし、ヴァンフリート4=2の戦いで死別したヴァレリー・リン・フィッツシモンズ中尉については、第6次イゼルローン攻防戦までは忘れる事が出来なかった様子を表している。
[編集] 家族
独身。ただしラグナロック作戦と前後して、若い頃に一時期交際していた故・ローザライン・フォン・クロイツェルと自分との間に、カーテローゼ・フォン・クロイツェル(カリン)という娘がいる事が判明。イゼルローンの再占領が成功した後対面したが、死ぬまで友好的な雰囲気にはならなかった。