上等。シリーズ
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『上等。シリーズ 』(じょうとうシリーズ)は三浦勇雄のライトノベル作品。屡那・画。
第1作「クリスマス上等。」はメディアファクトリー主催の第1回MF文庫Jライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作品。以後、同社・MF文庫Jより既刊6冊。
目次 |
[編集] あらすじ
五十嵐鉄平は、クリスマスの時に異世界から来たという槍ヶ岳と名乗る全身真っ赤な女性に「薄幸少女を救うサンタクロース役に選ばれた」と言われる。渋々承諾した鉄平の救うべき相手とは、クラスメイトの美少女・古都ゆかりだった…。
[編集] キャラクター
[編集] 羽原羽高校の生徒
- 五十嵐 鉄平(いがらし てっぺい)
- 主人公。毎回槍ヶ岳が起こす「企画」に巻き込まれている。常に槍ヶ岳の行動に突っ込み、泣き言を言いながらもゆかりと自分の身に降りかかる事件を片付けていく。非常にキレやすい。現在、ゆかりと同じ大学へと通うために、必死で受験勉強中。五寸釘によって記憶操作をされたと考えられるが槍ヶ岳の防御システムがあったため、記憶は健在。
- 古都 ゆかり(こと - )
- 鉄平のクラスメイト。1巻の半年以前(4月から6月と思われる)に両親を亡くし、その時に鉄平に優しい(本人は『無責任』と思っている)言葉をかけてもらったことを覚えている。実は大企業の後継者で、毎日忙しい。記憶は五寸釘によって喪失していると考えられる。
- 藤森 文七(ふじもり ぶんしち)
- 鉄平のクラスメイトであり悪友。バレンタインの時はハヤミが擬態していたため本人自体の出番は無かったがホワイトデーからは毎回登場し槍ヶ岳のサポートをしたりしたこともあった。4巻では槍ヶ岳の計画を実行するためにゆかりの挙式を煽るような発言をするなど結構な食わせ者。将来は実家の酒屋を継ぐつもりだったらしいがなぜか進学クラスにいる。5巻では主役となる。同じく記憶操作中。
- 滝本 柚子(たきもと ゆず)
- 羽原羽高校2年生。夏休みに学校の補修を受けに来ていた文七に屋上に居た所を発見され彼と会話するようになった。柚子は屋上にいた「幽霊っぽいもの」のユー子(幽霊っぽいから名前が無くそのため柚子が名付けた)がいることを文七に打ち明けユー子と友達になってくれと頼んだ。しかし本当はクラスから孤立していた柚子が消えるために文七を利用するためだった。ユー子(実在するらしい)だと文七という第三者に柚子の情報をユー子の情報として渡すことで文七の脳はユー子が存在すると誤認しユー子が柚子の容姿で存在を許されることになるらしい。ところが実際は柚子とユー子の位置が入れ替わるだけなのに気付いた文七が入れ替わったユー子を説得し、もう一度入れ替わった。しかしその結果柚子とユー子は二人で一人になったらしく文七以外から「ゆうこ」と呼ばれるようになった。文七に好意を持っている模様。文七の記憶を取り戻すために奮闘している。
[編集] 百合百合学園の生徒
- 霧島 曜子(きりしま ようこ)
- 百合百合学園3年生で、琴部の部長(6巻現在)。文七を除く羽原羽高校の生徒とはバレンタインの企画で知り合った。鉄平やゆかりと比べると精神面が弱いイメージを受けてしまうが、むしろこっちの反応の方が普通。バレンタインの一件からゆかりのことが頭から離れなくなったらしく、それ以来ゆかりを敬愛するようになる。だが、ホワイトデーの様子を見るに、明らかにそれ以上の感情を持っている。上記の二人と同じ理由で記憶操作中。
- 日向 あひる(ひなた - )
- 百合百合学園高等部の一年生。曜子の後輩であり、琴部部員。自分が同性愛者だということでクラスメイトからいじめられていた。遺書の意味で書いていた手紙を槍ヶ岳が曜子に届くように細工し、その手紙の真意を知った曜子があひるを説得したため思いとどまった。曜子のお陰で同じようにいじめられていた同性愛の相手もクラスに復帰し、以来曜子のことを慕うようになった。
[編集] 別世界の人々
- 槍ヶ岳(やりがたけ)
- 毎度毎度鉄平をトラブルに巻き込む女性。内界にてテレビ放送局「お気楽テレビ」(略してOTV)の高視聴率をマークする人気番組「ザ・外界ウォッチング」のリポーターをやっている。行事ごとにそれぞれ違う色ずくめのスーツと下縁眼鏡とパンツ(?)を着用している。鉄平の姉「五十嵐豆子」を詐称することもしばしば(ちなみに、その時には語尾に必ず「デス」をつける)。
- 一本釣(いっぽんづり)
- OTVのディレクターであり第二世界の生命体。イヴのの企画は彼が考えたらしいが、その企画の裏にはただ生きているだけのモノになってしまったハヤミを救いたいという意図があった。4巻以来姿を見せなくなったがまだディレクターは続けているいる模様。
- ハヤミマコト
- KOTOの副社長。だが鉄平達が呼んでいるハヤミとは彼に擬態した第二世界の生命体であり、名前などが無いため便宜上こう呼んでいる。最初は一本釣にそそのかされて第一世界への復讐を目的に生きてきたが鉄平の説得の影響もあり今は罪滅ぼしのために生きている。4巻の最後のあたりの言動から4巻以降一本釣と共に行動していると考えられるが6巻で一本釣が捕らえられたため6巻現在の消息は不明。
- 大目玉(おおめだま)
2巻にて登場。お気楽テレビのライバルのブラックユーモアを主とするブラックテレビ(略してBTV)の専属リポーター。常に黒ずくめのスーツ、眼鏡を着用。最近はゆかりに慕われていたが、6巻にて越後屋(後述)とともにつかまった模様。
- 越後屋(えちごや)
- 6巻にて登場。槍ヶ岳の後輩であり、OTVに勤めている。槍ヶ岳のまねをすることが多く、本人からも煙たがられている。大目玉とともにつかまった模様。
- 五寸釘(ごすんくぎ)
- 6巻にて登場。反他世界交流派の第一人者で越後屋の推測だと学祭の黒幕。かなりの戦闘能力を持つ。
[編集] 世界観
地球という世界はいくつか異なる次元の世界の世界で出来ている。第一世界(ザ・ファースト)、第二世界(ザ・セカンド)、第三世界(ザ・サード)が今のところ登場している。
- 第一世界(ザ・ファースト)
- 槍ヶ岳が所属する世界。別名、内界。生活・服装に関しては第三世界(ザ・サード)と大して変わらないものの、かなりの技術を持つ。
- 第二世界(ザ・セカンド)
- 「ザ・外界ウォッチング」のディレクター、一本釣が所属していた世界。無個性で複数の生命体が一つの意思のみで活動していたが、第一世界との接触で個を知り、個を得たことで軋轢が生まれ、個々同士が殺しあう「自壊」という戦争が始まり、とうとう「崩壊」してしまった。今は、大地が常に彼らの体液によって湿り第一世界と第三世界の橋渡しとなっている。
- 第三世界(ザ・サード)
- 五十嵐鉄平、古都ゆかりが所属する世界。第一世界との接触はほぼなく、あったとしても記憶消去されてしまう(だから五十嵐鉄平、古都ゆかりなどはあくまでも例外)。至って普通。
[編集] 既刊一覧
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[編集] 関連項目
- かのこん - 三浦勇雄と同期デビュー(第1回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作)である西野かつみのライトノベル作品。「上等。シリーズ」のパロディがたびたび登場する。