二次関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
二次関数(にじかんすう)とは、x を独立変数、y を従属変数とし、x に関する二次の多項式をもちいて
と表される関数のことである。特にb = c =0のときは、「二乗に比例する関数」とも言う。
係数 a, b, c が実数値の定数で、x が実数値をとる変数とすると、そのグラフは xy-座標系において放物線を描く。
これは集合と写像の概念を用いて、
- 実数全体のなす集合 R から R への写像
- f: R → R; x → ax2 + bx + c
- を考えたとき、そのグラフ {(x, y) ∈ R2 | y = f(x)} は R2 内の放物線を描く。
と言っても同じことである。
以下では実数値関数としての二次関数に着目して、解析幾何学でよく知られた事項を記す。
目次 |
[編集] 二次関数の形
[編集] 一般形
従属変数 y が、定義どおりに独立変数 x の冪の線形結合 ax2 + bx + c の形で表されるとき、これを二次関数の一般形とよぶ。
[編集] 標準形
従属変数 y が、形式上 x の一次の項を含まない a(x - p)2 + q の形で表されるとき、これを二次関数の標準形という。
このとき、二次関数の描く放物線の軸は x = p であり、頂点の座標は (p, q) となる。
計算すれば自明なことであるが、標準形を展開すれば一般形を得る。逆に一般形を平方完成(基本変形)することにより標準形になおすことが可能である。
[編集] 二次関数と二次方程式
二次関数 y = f(x) に対し、二次方程式 f(x) = 0 の二つの異なる実数根 α, β を持つ(したがって判別式が正)ならば、この二次関数は y = a (x - α)(x - β) と表せる(二次関数の因数分解形と呼ぶこともある)。このとき、グラフはx 軸と二点 (α, 0), (β, 0) で交わる。また、二次方程式 f(x) = 0 が重根 α を持つとき(すなわち判別式は0であるとき)は、一点 (α, 0) でx 軸と接する。
二次方程式 f(x) = 0 の判別式が負のとき、すなわち方程式が虚数解を持つときは、グラフはx 軸と交わることはなく、二次の係数の正負にしたがって、グラフは常に x 軸の上または下にある。