二泉映月
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『二泉映月』(中国語: あ ちぇん いん ゆえ)は、中国の伝統楽器二胡の曲。
「二泉映月」とは、「二泉(無錫にある中国で二番目に美しいとされている湖の淵にある泉)に映る月」を表し、中国で最も著名な民間音楽家として知られている阿炳(本名:華彦鈞)の代表曲としても有名である。
阿炳は1893年に江蘇省無錫市に生まれ、幼少の頃から道士の父について音楽を学んだ。20歳の頃に眼病を患い、35歳の頃には両目とも完全に失明。30歳頃から街頭で歌を唄い、楽器を奏でて生計を立てた。
二胡と琵琶の演奏者であり同時に作曲家でもある阿炳は、生涯で二胡と琵琶の作品を200曲あまり作曲したとされているが、現在楽譜となって残っているのは、二胡の曲『二泉映月』『聴松』『寒春風曲』と、琵琶の曲『大浪淘沙』『昭君出塞』『龍船』の6曲のみである。