二銭銅貨
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「二銭銅貨」(にせんどうか)は江戸川乱歩による短編推理小説である。1922年に執筆され、1923年、雑誌『新青年』(大正12年4月号)に掲載された。この作品で乱歩は評判になり、作家として生計をたてていけるようになった。後の活躍の出発点ともいえる重要な作品である。日本最初の本格探偵小説ともいわれる。
ただし、1926年に黒島伝治が同名小説(初出時は『銅貨二銭』)を発表している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
作品そのものはポーの「黄金虫」を彷佛とさせる暗号物である。 作中のセリフで「黄金虫」や「踊る人形」の言及があり、ベーコンの二記号暗号など暗号に関する蘊蓄が幾らか語られている。登場する暗号は換字法(Substituion Cipher)の一種(コード(Code)と換字法を組み合せたもの)であるが、単純に文字を別の文字や図形に置き換えたりするのではなく、工夫が有る。また平文にも分置式暗号(らしきもの)が埋め込まれていて、最後に明かされる。
ただし、暗号解読は「黄金虫」や「踊る人形」のような解読手法を適用して解き明かしていくものではなく、閃きと推測によるものである。
新潮文庫 | 『江戸川乱歩傑作選』 | ISBN 4-10-114901-1 |
ちくま文庫 | 『江戸川乱歩全短篇 1』 | ISBN 4-480-03411-0 |
創元推理文庫 | 『日本探偵小説全集 2 江戸川乱歩集』 | ISBN 4-488-40002-7 |
春陽文庫 | 『心理試験 他六編』 | ISBN 4-394-30110-6 |
光文社文庫 | 『江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者』 | ISBN 4-334-73716-1 |
などに収録されている。