交差適合試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
交差適合試験(こうさてきごうしけん)はクロスマッチともいう、輸血副作用の防止のための検査である。
主試験は受血者血清と供血者血球、副試験は受血者血球と供血者血清との反応を検査する。但し、患者の血液型、供血の血液型及び不規則抗体検査が正しく行われている場合は副試験を省略してよい。
主試験とは受血者血清中に供血者血球に対する抗体の有無を、副試験は供血者血清中に受血者血球に対する抗体の有無をしらべる検査である。又、これらはABO式血液型の不適合およびその他の血液型に対する免疫抗体(IgG)を検出できる方法でなくてはならない。 検査法には主に以下がある。
・生理食塩液法:陽性の場合は自然抗体(IgM)の存在が考えられ、ABO式血液型の不適合などが考えられる。
・間接抗グロブリン法:陽性の場合はABO式血液型以外の血液型に対するに免疫抗体(IgG)の存在などが考えられる。
・酵素法:ブロメリンなどが使用される。特にRh式血液型抗原に対する免疫抗体(IgG)の検出感度が高い。
抗体が存在する場合(陽性)は、凝集または溶血反応が確認される。反応なし(陰性)であれば輸血を行うことができる。陽性の場合は、供血者血液が体内に入ることにより免疫反応が起こる為、原則的に輸血を行うことは出来ない。