依り代
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依り代、依代(よりしろ)とは、神霊が依り憑く(よりつく)対象物のこと。憑り代、憑代とも書く。
日本の民間信仰の根底には、自然崇拝の考え方があり、あらゆる物に霊的存在が宿ると考えるアニミズムの要素があった。その意味では、あらゆる物を依り代と見ることもできるが、この場合は依り憑くよりも、むしろ内在に近い。人間が恩恵を受ける太陽、山、海などが崇拝の対象となった。
人格神を崇拝する場合にも根底に同じ考え方があり、所縁のある物や象徴する物などに内在している、あるいは、それらに依り憑いて具象化することで力を及ぼすと考えられたようである。太陽神にとっての太陽やそれを象徴する鏡などが依り代にあたる。現在、ほとんどの依り代は、神体として崇拝の対象(依り代が崇拝の対象ではなく、憑依する神が崇拝の対象)となり、神殿などの祭祀の施設が設けられている。
依り代が人であることもあり、この場合は依巫(よりまし、憑巫)という。自ら依巫になることや、依り代から神意、神託を知り一般に伝えることを職業として行ったのが、神主や巫女の始まりであり、シャーマニズムの要素があった。
祭礼など特殊な場合には、山や神殿等からより身近な場所に神霊を降臨させる臨時の依り代もある。
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