停波
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停波(ていは)は常時電波を発信している無線局が電波の送信を止める事。
主に、放送局や携帯電話、PHSなど常時電波を発信している無線局において、設備の保守などのために一定時間送信を止める事を指す(放送局における例をあげれば、日曜深夜=月曜の午前1時頃から午前5時頃までに行われる送信休止をいう)。但し、タクシー会社や警察・消防、アマチュア無線など、必要な時にだけ通信を行う無線局が運用していない場合は停波とは言わない。
停波時における受信機の出力は電波形式によって異なる。テレビ放送(地上アナログ放送)の場合、画面が「ザー」という音と共に「砂嵐」と呼ばれるランダムノイズを表示する状態になる。これは同期信号が失われているため通常の走査が行われない事による。カラーバーやテストパターンや「しばらくお待ちください」という表示画面ならまだ電波は止まっておらず、デジタル放送でも「このチャンネルは現在休止中です」やデジタル放送の受信機によっては「信号レベルが低下しています 視聴できる状態ではありません」などというメッセージが表示されている場合は電波そのものは止まっていない状態である。
ラジオの場合は、AM・短波であれば、ガーというような音が流れ、FMであれば、アナログテレビ放送と同様にザーという音が流れる。ラジオの周波数を放送のないところに合わせたのと同じ状態である。但し、テレビ・ラジオともミューティング機能により無信号時には音声を無音状態に、映像を単色無地画面に自動切換えする機種もあり、その場合はノイズを視聴する事はない。
デジタルテレビ放送用受信機は停波時でも「ザー」という音や砂嵐の状態になる事はなく、画面に「受信できません」という意味のメッセージが表示される(デジタル放送の試験電波でも映像・音声のない信号を送信している場合も同様)。