八重洲
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八重洲(やえす)は、東京都中央区、東京駅東側一帯を指す地名である。
八重洲の語源は、江戸時代に日本に漂着し、後に徳川家康の国際情勢顧問や通訳として活躍したオランダ人ヤン=ヨーステン・ファン・ローデンスタイン(耶楊子:やようす)が徳川家康に邸を貰った地名に由来する。
元々の「八重洲」は皇居寄りだったが、明治の頃まで京橋方面から丸の内に入るには外壕を渡らねばならず、1884年(明治17年)に呉服橋と鍛冶橋の間に丸の内の「八重洲」に通じる八重洲橋が架けられた。また、現在の東京駅八重洲口付近は、北町奉行所の在所でもあった。
その後東京駅拡張工事とともに濠は埋めたてられ、八重洲橋も姿を消し、東京駅八重洲口にその名を残した。
また、八重洲の名を冠した企業「八重洲ブックセンター」の本店や、国内でも屈指の広さを誇る八重洲地下街がある。
老朽化したビルが目立ち、隣接する丸の内に比べ再開発はあまり進んでいなかったが、現在「東京ステーションルネッサンス」の一環として、東京駅八重洲口の南北に超高層ツインタワー(グラントウキョウ。オフィスビル・商業施設など)を建設中である(但し住所は「丸の内」となる)。永らく八重洲側のシンボルであった鉄道会館ビル(大丸東京店)はツインタワー北棟への移転後に解体される。