劇画・オバQ
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劇画・オバQ(げきがおばキュー)は、藤子・F・不二雄の漫画作品。『オバケのQ太郎』のエピローグ的最終話。初出は1973年に『ビッグコミック』(小学館)2月25日号に掲載。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
藤子Fが、マージョニー・キーナン・ローリングスの小説『子鹿物語』からヒントを得たという作品。ジョディ少年と、フラッグと名付けられた野生の子鹿と出会いと別れという、楽しかった少年時代への決別を描いたこの作品を、誰もが知る少年時代の象徴ともいえる「オバQ」に置換。短編としてまとめあげる事が出来たという。「Q」の旗( = フラッグ)が、この作品同士の繋がりを示すキーパーソンとなっている。また作中には、この旗を印象付けるために、本編である「オバQ王国」の1シーンが引用された。このシーンに出てくる「Q」の旗はこの作品用に追加で描かれたもので、本来の「オバQ王国」にこの旗は出てこない。
タイトルは「劇画」と謳っているが、まさに絵柄も劇画タッチの硬質でリアルな線で描かれており、Q太郎の劇画調に誇張されどこか哀愁の帯びた姿、そして写実的に描かれた正太達とに妙な違和感がある。これは当時の劇画ブームによって過小評価されていた、作者の世間に対するアンチテーゼとも捉えられる事も出来よう。
とはいえ、「永遠の子供」の象徴の様なQ太郎と、「一人前の大人」へと成長してしまった仲間達との確執が、往年のファンの涙を誘う。昔ながらのオバQファンには、大変ショックなラストシーンであるといえよう。 しかしあくまで外伝的なものであり、直接の最終回という位置付けではない。「オバQ」の新作は、1976年の月刊少年ジャンプに読み切り作品が掲載された以降、描かれる事は無かった。
[編集] あらすじ
大人になりサラリーマンとなった大原正太(正ちゃん)と、15年ぶりに人間界に帰ってきたQ太郎が街角で再会する。正太は既に結婚しており、Q太郎はその家庭に居候することになるのだが、正太の妻は大食らいで厚かましい態度のQ太郎を煙たがる。そしてQ太郎が戻って来た事を知った西郷強(ゴジラ)が、かつての仲間達で飲み会を開く。やがて昔話に花が咲き、「子供の頃の夢よもう一度」と皆で誓い合うが…。
[編集] 主な登場人物
- Q太郎
- 父・X蔵のコネでオバケの世界の銀行への就職が決まっていたが、モラトリアムを求めて人間の世界に再びやってきた。
- 大原正太
- 25歳のサラリーマン。既に結婚しており(相手は「よっちゃん」こと小泉美子ではない)、子供はまだいない。友人のハカセからベンチャー企業立ち上げに参加するよう頼まれているが、今一つ踏ん切りがつかない。
- ハカセ
- 正太の旧友で実業家。ビジネスで正太に協力してほしいと考えている。