十便十宜
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十便十宜(じゅうべんじゅうぎ)は、清の劇作家李漁(李笠翁)が、別荘伊園での生活をうたった詩。また、これに基づいて1771年に池大雅が「十便帖」、与謝蕪村が「十宜帖」を描き、合作した画帖が「十便十宜帖」である。慣用的に「十便十宜図」とも。大雅作の「釣便」は名高い。国宝。川端康成がよくこれを蒐集し、現在は川端康成記念館蔵。
[編集] 十便帖
池大雅図。李漁が伊園においていう「十の便利」を絵画化したもの。自然と共に生きる人間の豊かさを画面いっぱいに描きこんでいる。
- 耕便(こうべん)
- 汲便(きゅうべん)
- 浣濯便(かんたくべん)
- 潅園便(かんえんべん)
- 釣便(ちょうべん)
- 吟便(ぎんべん)
- 課農便(かのうべん)
- 樵便(しょうべん)
- 防夜便(ぼうやべん)
- 眺便(ちょうべん)
[編集] 十宜帖
与謝蕪村図。自然が四季や時間、天候によって移り変わるそれぞれの「十の宜いこと」を絵画化したもの。線の使い分けなど、自然描写が美しく、俳人として生きた蕪村の個性が表れている。
- 宜春(ぎしゅん)
- 宜夏(ぎか)
- 宜秋(ぎしゅう)
- 宜冬(ぎとう)
- 宜暁(ぎぎょう)
- 宜晩(ぎばん)
- 宜晴(ぎせい)
- 宜風(ぎふう)
- 宜陰(ぎいん)
- 宜雨(ぎう)