原野商法
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原野商法(げんやしょうほう)とは、原野などの価値の無い土地を騙して売りつける詐欺のことをいう。1960年代から1980年代が全盛期であり、新聞の折り込み広告や雑誌の広告などを使った勧誘が盛んに行われていた。
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[編集] 手口
- 虚偽のリゾート開発や計画段階の新幹線や高速道路建設の計画とリンクさせ、土地の値上がり確実であるとの虚偽の説明を行う。勧誘する地域とは遙かに離れた土地が投機目的の理由で斡旋されることから、現地を訪問して土地を検証することが困難であり、訪問したとしても売りつける土地とは違う他人の土地に案内するなど、追求をかわすさまざまな手口が用意されている。
[編集] 二次被害
- 原野商法に騙された人はカモリストに登録され、別の詐欺に遭うなど二次勧誘の対象となることが多い。悪徳商法業者にとっては格好の餌食である。
- 原野商法の舞台となった土地で、「買い手が見つかった」とか地籍調査や公共事業が行われると称して測量代を巻き上げる二次的な詐欺が存在する(地籍調査や公共事業の測量は無料である)。
- 原野商法に騙された人は高齢化が進んでいて、二次被害も70代以上の高齢者が多い。一方原野商法を展開する業者サイドも高齢化が進んでいる。というのも二次勧誘に使うカモリストは以前に原野商法を展開していた業者が契約者リスト(通称カモリスト)を温存していてそれを再利用するからである。原野商法の土地は価値がなく転売される可能性がゼロであるためカモリストが更新されることもなく、業者にとっては好都合である。
- 2006年にいくつかの原野商法業者が東京都により公表された。
[編集] その他
- 原野商法に遭った土地は、地形の緩急に関係なく格子状に所有権が細分化されている。こうした土地に、後日、道路など本当の公共事業が計画されることがあるが、買収は難航する(地権者が遠方でかつ人数が多く、高い補償料を要求する)ため、迂回ルートが設定されるなど、原野商法で売買された地域は忌避されることがある。
- 原野商法の舞台は北海道の山奥、栃木県の那須、三重県などに多い。