取消
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取消(とりけし)とは、ある行為を遡及的に無効とすることをいう。やや不正確ではあるが、日常用語で表記すると、ある行為を特定人の意思表示によって、行為の時にさかのぼってなかったことにすることの意味である。取消をする権利を取消権、取消権を有する者を取消権者と呼ぶ。
行為の時にさかのぼらない場合を、講学上「撤回」と呼ぶ。条文上、「取消」と表記されているにもかかわらず、「撤回」と解釈される場合もある。
取消権一般については、b:民法第120条が規定している。(以後、民法の条文を示すときは、条文の番号のみで行う)
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[編集] 条文
(取消権者)
- 第120条
- 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
- 詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。
[編集] 取り消しうる行為
[編集] 追認
- 無権代理
- 無効行為
追認可能な時期に追認権者が行った一定の行為については、法定追認事由として追認したものとみなされる(125条)。
[編集] 取消権の消滅時効
- 取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- 行為の時から20年を経過したときも、消滅する。
後者は除斥期間である。