口腔外科学
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口腔外科学(こうくうげかがく、oral surgery)は歯科学の一分野であり、口腔顔面領域の観血処置 および非観血処置について研究、分析、治療を行う学問である 。歯科補綴学、保存修復学とともに歯科学の根幹をなす学問の一つである。診療科としては「歯科口腔外科」と呼ばれているが、診療科「歯科」においても口腔外科学における小手術が臨床に応用され、歯科学全体の基盤となる学問の一つとして存在している。
昨今、口腔外科に隣接する領域を含めて鎖骨上から顔面頭蓋領域の外科を総称し「頭頚部外科」と呼ばれる診療科が癌専門病院などで用いられるようになっている。
頭頸部外科とは鎖骨より頭側で、脳と眼球をのぞく部位の外科処置を取り扱う診療科である。頭蓋底・顎顔面・口腔咽頭・頸部(唾液腺・甲状腺を含む)・耳や鼻などの外傷や腫瘍などが診療範囲に入り、大部分は耳鼻咽喉科医師が併任しているが、形成外科医師、外科医師、脳神経外科医師と歯科口腔外科歯科医師でも一部疾患を取り扱っている。
ただし口腔外科の標榜に関して、まれに医師の場合もあるが、主に歯科医師で構成されており、歯科医師免許の診療範囲かどうかが、問題となる事が多いようである。
なお、歯科医師の口腔外科診療範囲に関しては、旧厚生省(現厚生労働省の審議会)で次のように申し合わされている。
【歯科口腔外科の診療領域】
標榜診療科としての歯科口腔外科の診療領域の対象は、原則として口唇、頬粘膜、上下歯槽、硬口蓋、舌前3分の2、口腔底に、軟口蓋、顎骨(顎関節を含む)、唾液腺(耳下腺を除く)を加える部位とする。
【歯科口腔外科の診療領域における歯科と医科との協力関係】
歯科口腔外科の診療の対象は口腔における歯科疾患が対象となるが、特に、悪性腫瘍の治療、口腔領域以外の組織を用いた口腔の部分への移植、その他治療上全身的管理を要する患者の治療に当たっては、治療に当たる歯科医師は適切に医師と連携をとる必要がある。
(平成8年5月16日、第2回「歯科口腔外科に関する検討会」議事要旨より)
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