古井由吉
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古井 由吉(ふるい よしきち、1937年11月19日 - )は日本の小説家。東京都出身。東京の獨協高校を1年で中退したのち、都立日比谷高校入学、同卒業。東京大学文学部独文科卒。同大学院文学研究科独文学専攻修士課程修了。金沢大学で助手としてドイツ語を教える。その一方で、ロベルト・ムージルやヘルマン・ブロッホなどの翻訳をすすめる。退官後、『杳子』で芥川賞を受賞。小田切秀雄によって「内向の世代」との批判を受けたが、柄谷行人らに擁護される。
蓮實重彦、絓秀実、渡部直己、福田和也など多数の文芸評論家たちに支持を受け続け、作家にもファンが多い。佐伯一麦などは古井との対談本も出し、大ベストセラー『世界の中心で、愛をさけぶ』の著者片山恭一も、古井の愛読者である事を本人がインタビューなどで語っている。
1986年より芥川賞選考委員を勤めたが、2005年に執筆に専念するとして辞任。朗読会や講演を多数行っている。
代表作に『杳子・妻隠』、『槿』、『仮往生伝試文』、『円陣を組む女たち』、『楽天記』など。特に『仮往生伝試文』は、福田和也の『作家の値打ち』で最高得点をつけられた。また柄谷行人、絓秀実、岡崎乾二郎他共著で近年話題になった『必読書150』には『円陣を組む女たち』が挙げられている。翻訳にロベルト・ムージル『愛の完成 静かなヴェロニカの誘惑』、ヘルマン・ブロッホ『誘惑者』など。