合成化合物
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合成化合物(ごうせいかごうぶつ)とは、化合物の中でも特にある目的を持って人為的に生成されたもの。
食品添加物や薬品、肥料や農薬、繊維や樹脂など幅広く用いられている。
合成化合物という言葉は科学的な用語ではなく、天然化合物に対して人工的に作られた化合物を呼ぶための俗語である。石油由来の石油化学製品を限定して指す場合もある。
[編集] 安全性
特に食品・薬品の分野において、合成化合物は有害なものと捉えられがちな風潮があるが、正しく生成された化合物であれば、天然化合物との差異は何ら認められない。むしろ衛生面や純度において、不純物が混入しにくい、より衛生的であるなど多くのメリットが存在する場合もある。
反面、化合物は化学構造の微妙な差異で活性が大きく変化することも考えられるため、これらを取り扱う企業には薬事法による安全性の確認、食品衛生法による使用量・表示の規定といった厳格な基準が定められている。
近年においては、諸外国から輸入される製品における不備が頻繁に取り上げられ、安全性について耳目を集めている。またこれに便乗して無用に消費者の不安を煽り、殊更に天然をうたった製品も多い。しかしこういった場合、真に問題があるのは扱いを誤った事業者や制度であり、合成化合物そのものが危険なのではなく、誤った扱いを受ければ、天然・合成に関係なく害をなす可能性がある。