同語反復
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同語反復(どうごはんぷく)とは「私は私であり、君は君である」のように、等値を示す語によって同じ言葉を繰り返すことである。 文学、評論等、言語表現における技巧のひとつとして用いられる。
[編集] 論理学
同語反復は、論理学(数学)の命題としては、トートロジーの一つである。 すなわち、新しい内容が何ら含まれておらず、自明な恒真命題に過ぎない。
[編集] 修辞技法
言語表現としての同語反復は、修辞の一種である。 したがって、上記の論理学における命題と異なり、一定の情報を含み得る。
「AはAである」は、例えば「AはあくまでAであって他のものとは異なる」という注意喚起、あるいは「Aは所詮Aであってそれ以上ではない」という主張、等々の筆者(話者)の意図を含み得る。 同様に「AはAであり、BはBである」は、例えば「AとBを混同すべきではない」という注意喚起、あるいは「AとBは(ある文脈で)異質である」という主張、等々を含意し得る。