名古屋走り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
名古屋走り(なごやばしり)とは、愛知県名古屋市とその周辺地域(以下「名古屋都市圏」という。)においてよく見られるマナーの悪い自動車運転方法の俗称である。名古屋都市圏以外の出身者から言われることが多く、名古屋都市圏内ではあまり言われない。
目次 |
[編集] 名称の由来
名古屋都市圏においてよく見られることによるというのが通説であるが、名古屋都市圏以外の地域において「名古屋ナンバー車」のドライバーの交通マナーの悪さが目立ったことによるという説もある。
[編集] 名古屋走りの成立の背景
名古屋都市圏は東京都市圏(横浜含む)、京阪神都市圏に次ぐ規模の都市圏でありながら、近年まで都市圏外との交流が比較的少なく、独特の風習、文化を育ててきた。また都市圏には珍しく人間関係が濃密なこともあり、何事も「お互い様」としてマナーの悪い行動を許容してしまいがちなところがある。いわゆるローカルルールが発達しやすい地域であり、本則よりローカルルール優先という本末転倒の現象を起こしやすい。これに全国有数の高い自動車所有率、道路整備環境の良さという要因が加わることにより、ドライバー個人の都合を優先し、周囲に甘えていると思われる運転を生み出しているといえる。
近年は愛知県警等の努力により改善されているという評価もあるが、毎年誕生する初心者ドライバーが身につけてしまうこともあり、根絶までには今後も相当期間が必要と考えられる。
[編集] 主な名古屋走り
以下に、「これが名古屋走り」とよく紹介される運転行為を列挙する(この他にも異説・異聞の類は多数ある)。なお、これらの行為は道路交通法に抵触するかその可能性が高いのみならず、周囲の交通状況を悪化させ、ひいては交通事故発生の誘因となるため、絶対にやってはいけない。
[編集] 交差点
- 右折専用車線を直進する(車線が急に右折車線となる道路に多い)。
- 右折矢印が出た時に右折専用車線に車がいなければ、右折専用車線を使って赤信号待ちの車列を追い越し交差点を通過する("|-"形状の三叉路で多い)。
- 右折専用車線の先頭車が、信号待ちの間に直進車線の先頭車の前に移動する。
- 右折待ちの先頭車が、青信号になったら対向車が発進する前に小回り右折する。
- 交差点の手前で信号が青色から黄色に変わればアクセルを踏み込む。
- 赤信号から1秒程度であれば、交差道路の先頭車が発進していなければ停止しない(大型トラックに多い)。
- 赤信号から1秒程度であれば、右折矢印に従って右折している対向車をクラクションやパッシングで威嚇して、そのまま直進する(交差点内優先順位の誤解)。
- 交差道路が赤信号になったら動き始める(見切り発車。黄信号の場合もある)。時差式信号機の場合があるので非常に危険。
- ハンドルを回しながらウインカーを出す。
[編集] 車線変更
- 正規の手順で進路変更の意思を表示すると、そうはさせまいと車間を詰める。
- 自車の長さ程度の車間が空いていれば割り込む。その際、車線変更のウインカーは1回だけ点滅させる(上記妨害行為を避けるため)。
- 幹線道路では、制限速度以上で走っていても割り込み防止のため車間を詰める(特に名四国道や名岐バイパスに多い)。
- 車線をまたいで走り、追い抜きを妨害する(左折または右折の交差点をはっきり覚えていないドライバーに多い)。