名家 (諸子百家)
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名家(めいか)は、諸子百家の1つである。中国の戦国時代を中心として、一種の論理学を説いた。
この学派の代表的な思想家として、公孫龍や恵施が挙げられる。漢書芸文志によれば、名家は七家三十六篇あった。そこには鄧析(とうせき)、尹文子(いんぶんし)、公孫龍子、成公生、恵子(恵施)、黄公、毛公の名が見える。書物としてはこのうち『公孫龍子』だけが現存する。鄧析は疑書。『恵施』は失われたが、その論理は『荘子・天下篇』にわずかに見ることができる。その末流は往々にして詭弁に陥り、とくに公孫龍が唱えた「白馬非馬」は後世、詭弁の代名詞にもなった。
名家の論理の中に「飛ぶ鳥の影は動かない」というものがある。これはゼノンのパラドックスに相当するものと考えられる。また、詭弁とみなされる論理の中にも、ものの存在とその本質を分離するという意味でイデア論に発展する可能性があるものもあった。しかしそれらは、ギリシアのように体系的な哲学として発展することはなく、弁論の訓練として使われるだけに終わった。中国において論理学が体系的に発展しなかった原因としては、その漢文の構造が論理的な記述に向かないとする説、そもそも中国人には論理的な思考を得意としないとする説などが唱えられており、定説を見ない。
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