向精神薬
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向精神薬(こうせいしんやく)は、広義には、中枢神経系に作用して、生物の精神活動に何らかの影響を与える薬物の総称。狭義には、麻薬及び向精神薬取締法で個別に指定された物質。以下では広義の向精神薬について述べる。
向精神薬は、精神治療薬と精神異常誘発物質に分類されるが、この区分は社会的なもので、医学的に明確な境界はない。これは、精神治療薬の中に副作用として、幻覚や錯乱などの精神異常をおこすものがある一方で、精神異常誘発物質の中にも、覚醒作用や鎮痛・鎮静作用などの作用を持つために、治療に用いられるものが存在するからである。例えば、モルヒネは強い依存性を持つが、同時に強力な鎮痛作用が存在するため、重度の癌患者の疼痛除去に用いられている。
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[編集] 精神治療薬
このうち、主に抗不安薬、中枢神経刺激薬、鎮静催眠薬が麻薬及び向精神薬取締法で向精神薬に指定されている。
[編集] 精神異常誘発物質
- 覚醒剤(メタンフェタミン・コカインなど)
- アヘン
- モルヒネ
- ヘロイン
- フェンサイクリジン(PCP)
- シンナー
- テトラヒドロカンナビノール(THC)
- リゼルギン酸ジエチルアミド(LSD)
- 3,4-メチレンダイオキシメタンフェタミン(MDMA)
このうち覚醒剤の一部は中枢神経刺激薬として精神治療薬にも含められる。
[編集] 関連項目
[編集] 関連文献
融 道男 『向精神薬マニュアル第2版』 医学書院 ISBN 4260118595
[編集] 外部リンク
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