利用者:咲宮薫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(「フランス語の文法」の下書き) 名詞の文法カテゴリーには、他の印欧諸語と同じく性・数・定性・格などがある。性は男性・女性の2つ。数は単数・複数の2つで、当然ながら可算・非可算の別がある。性・数の表示は、冠詞や指示詞・所有形容詞などの限定詞及び過去分詞の先行詞との一致などに現れる。定性は冠詞で示される。格変化はなく、名詞の格機能は一般に語順及び前置詞で表される。また人間と非人間は疑問詞では区別されるが関係代名詞では区別されない。 また動詞の活用によって、主語人称・法・時制が表現される。ただし主語人称代名詞は省略できない。 法には直説法・条件法・接続法・命令法が存在する。直接法には、「現在」・「半過去」・「単純未来」・「単純過去」の4つの単純時制(助動詞を用いないで表現される時制)があり、それぞれの複合時制(助動詞を用いて主に完了を表現する時制)として、「複合過去」・「大過去」・「前未来」・「前過去」がある。条件法・命令法には「現在」及びその複合時制「過去」が、接続法には「現在」及びその複合時制「過去」・「半過去」及びその複合時制「大過去」がそれぞれ存在する。
目次 |
[編集] 名詞 (nom)
[編集] 性 (genre)
一般に名詞は男性 (masculin)と女性 (féminin)に文法上区分される。人間や動物を表す名詞は、原則として自然の性と文法上の性が一致する。男と女・雄と雌を別の語で表すこともあれば、同じ語の語形変化によって示すこともある。男性→女性の変化規則には以下のようなものがある。
(男性→女性)
- - → -e(原則);e.g. un ami → une amie「友人」
- -e → -e;e.g. un journaliste → une journaliste「ジャーナリスト」
- -eur → -euse;e.g. un voyageur → une voyageuse「歌手」
- -teur → -trice;e.g. un acteur → une actrice「俳優」
- -er → -ère;e.g. un étranger → une étrangère「外国人」
- など
[編集] 数 (nombre)
フランス語では、名詞は一般に限定詞(冠詞・指示詞・所有形容詞など)なしでは用いられない。ただし慣用句・熟語はこの限りでない。
[編集] 冠詞 (article)
フランス語では、冠詞は名詞の定・不定、性、数を表示する。定性および可算・非可算の観点から、定冠詞・不定冠詞・部分冠詞に分類することができる。
[編集] 定冠詞 (article défini)
単数 | 複数 | |
男性 | 女性 | |
le | la |
les |
定冠詞は、話題になっている人や物が誰であるか・どれであるかということが、話し手・聞き手の双方にとって明らかなときに添えられる冠詞である。フランス語では以下のような場合に使われる。
- 状況から明らかな時:e.g. Férmez la porte, s'il vous plaît.「どうぞ扉を閉めて下さい」(←その場の扉)
- 限定語句による説明から明らかな時:e.g. Voilà l' homme à lunettes. C'est mon père.「眼鏡をかけた男性がいます。あれは私の父です」
- 習慣によって明らかな時:e.g. Aujourd'hui, je vais au bureau à pied.「今日は歩いて会社に行く」(←毎日行く自分の勤め先)
- 既に話題になっている時:e.g. J'ai acheté une robe hier et l'ai offerte à ma fiancée. —Elle a coûté combien, la robe?「昨日ドレスを買って婚約者に贈ったんだ。—幾らだったの?そのドレスは」
- 唯一のものである時:e.g. Le soleil s'est couché.「日は沈んだ」
- 総称的に種類の全体を述べる時:e.g. J'ai peur de les chiens.「私は犬が怖い」(←犬というもの全体が怖い)
- 概念そのものについて述べる時:e.g. L' amour, c'est une image de notre vie.「愛はわれわれの生によく似ている」
定冠詞"le"及び"la"はエリジオンして"l' "となる。
定冠詞"les"は後続の語とリエゾンする。
定冠詞"le"及び"les"は、前置詞の"de"及び"à"と縮約する。
- à+ le → au
- à+ les → aux
- de+ le → du
- de+ les → des
ただしエリジオンした"l' "とは縮約しない。e.g. l'enfant de l'homme「その男性の子ども」