囀り石
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囀り石(さえずりいし)は、群馬県の文化財である巨石。囀石とも表記され、別名をしゃべり石という。
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[編集] 概要
吾妻郡中之条町大道にある、大きさ約4メートルの石。名前の由来は、かつてこの石が言葉を発したという妖怪伝説による。
[編集] 伝承
その昔、親の仇を探して旅をしていた男がこの地を通りかかり、この石を寝床として一夜を明かすことにした。
夜中、男は人の話し声で目を覚ました。耳を澄ますと、声はなんと石の中から聞こえていた。しかも話の内容は男の目指す仇のことであり、その仇の居場所まで話していた。男はこれぞ神仏の助けと信じ、その場所へ赴き、見事に仇をとることができた。
その後もこの石は幾度も声を発し、人々の役に立つことを話したので、土地の者は石の神としてこの石を祀った。しかしあるとき、この石の近くを訪れた旅人が石の声を聞き、驚いて石の角を刀で斬りつけてしまった。以来、この石が声を出すことはなくなったという。
[編集] 関連項目
[編集] 出典元
- 村上健司 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、169頁。
- 水木しげる 『妖鬼化 1 関東・北海道・沖縄編』 Softgarage、2004年、54頁。