増山たづ子
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増山たづ子(ますやまたづこ、1917年(大正6年) - 2006年(平成18年)3月7日)は、岐阜県揖斐郡徳山村(現揖斐川町)出身のアマチュアカメラマンである。通称カメラばあちゃん。
[編集] 徳山村を愛したカメラばあちゃん
太平洋戦争で夫と息子を亡くす。戦後、農業の傍ら民宿を営む。昭和30年代、徳山ダムの建設が計画され、徳山村は全村が水没する事となる。この事を「蟻が刃向かうもの」と冷静に受け止めると、徳山村の記録を残したいという思いから、1977年(昭和52年)10月10日の徳山村運動会の時から写真を写し始める。(NHK総合テレビ『発見ふるさとの宝』では、「父ちゃん(「出征した夫(増山徳冶郎))がいつ帰って来ても、ダムに沈んでいった徳山村の事を伝えられるようにしたい」と言う理由で写真を撮り始めたという事になっている。)じつに60歳を過ぎてからのアマチュアカメラマンの誕生である。
消え行く村の人々の表情、四季、自然、家、建物、風景、祭り、風習、民俗等、あらゆる物を取り続け、生涯に撮影したのは数万枚という。
愛機はピッカリコニカ。当初はフィルムの入れ方も知らなかったという。
撮影された写真は、「故郷―私の徳山村写真日記」「ありがとう徳山村」「徳山村写真全記録」等の写真集として出版されている。又、各地で写真の展覧会を行っている。
徳山村を舞台にした、神山征二郎監督の「ふるさと」にも出演している。