変声
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変声(へんせい)とは、ヒトが成長して声帯が伸びたり、太くなったりし、声帯の振動数が少なくなり、声が変化すること。声変わり(こえがわり)とも言う。
[編集] 概要
変声は第二次性徴とともにおこり、おおむね12~13歳ごろに経験する。男女ともに見られる変化である。女声は声域があまり変わらない(2音半ぐらい)が、男声は変声を過ぎると、声の高さが1オクターブ程度低くなる。従って、変声後の男女の声の高さはおおむね1オクターブ弱異なることになる。ただし、これには民族的、文化的な相違が見られる。これには、先天的な理由によるものと、後天的な理由によるものがある。また、喉仏も目立つようになる。近年の日本では、女性や幼児の声が従来より低くなる傾向があり(聞き取りやすい声が求められている結果と思われる)、男女間の声域の差はやや少なくなってきている。
男性であっても、目立った変声が起こらず、カウンターテナーと呼ばれる高い声域を維持することが稀にある。
変声後の男声では、特に高い声を出すために声帯の振動の仕方を変えることがある。これをファルセットという。男声は、変声前に去勢を行うと、変声を迎えない。カストラートはこうして作られた声であり、独特の音色がある。
変声前の男児の合唱は少年合唱と呼ばれ、声域は(成人)女声とほぼ同じで、声質に特徴がある。しばしば合唱に女児も加わる。男児のソプラノは特にボーイソプラノと呼ばれる。
[編集] 関連項目
ウィーン少年合唱団:変声前の少年のみで構成される少年合唱団。変声を迎えた少年は退団することで有名。
[編集] 参考文献
服部公一『子どもの声が低くなる!—現代ニッポン音楽事情』1999年、筑摩書房