カウンターテナー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
カウンターテナー(countertenor)とは西洋音楽における成人男性歌手のパートの一つ。
目次 |
[編集] 概略
カウンターテノールともいう。変声を終えた成人男性が裏声(ファルセット)や、極度に高いテノールの声(この場合カウンターテナーではなくオートコントルに分類することもある)を使って、女声のアルトからメゾソプラノの音域で歌うパートをさす。この発声法は、バロック時代にみられた変声前に去勢することで少年の声を保ったカストラートとは、原理を異にする。また、ホルモンバランスの関係で変声を迎えなかった男性や、裏声でソプラノ音域を発声できる場合、カウンターテナーとこれらを区別して男性ソプラノ(ソプラニスト、ソプラニスタ)という。
[編集] 成立事情
中世のヨーロッパにおいては「女性は教会では黙すべし」という掟により、女性が教会や舞台の上で歌うことは禁じられていた。そこで、教会の聖歌隊では高音のパートつまり、ソプラノとアルトを、ボーイソプラノが担当していた。しかし、表現力に乏しく響きの弱いボーイソプラノのかわりに、アルトは成人した男性がファルセットを使って歌うようになった。これがカウンターテナーの始まりである。これは、特にイギリスの聖歌隊において伝統的に今でも続けられている。
その後、ソプラノのパートをスペイン系の非去勢男声ソプラノ(すでにカストラートの混在があったという説もある)が受け持つようになり、さらにカストラートの登場によってソプラノもアルトも彼らで占められるようになった。
カストラートの登場と衰退、その後の女性歌手の台頭により、カウンターテナーは長らく日の目を見ず、イギリスで細々とその伝統がまもられるにとどまる。しかし、第2次大戦後、アルフレッド・デラーの登場によって再びカウンターテナーは復活し、現在に至っている。
[編集] 著名なカウンターテノール歌手の例
- アルフレッド・デラー Alfred Deller
- アンドレアス・ショル Andreas Scholl
- ジェイムズ・ボウマン James Bowman
- ジェラーヌ・レーヌ
- デレク・リー・レイギン Derek Lee Ragin
- ドミニク・ヴィス Dominique Visse
- ブライアン・アサワ Brian Asawa
- ベルンハルト・ランダウアー [公式サイト] Bernhard Landauer
- ポール・エスウッド Paul Esswood
- マイケル・チャンス Michael Chance
- ヨッヘン・コヴァルスキー Jöchen Kowalski
- ルネ・ヤーコプス René Jacobs
- デイヴィッド・ダニエルズ David Daniels
- クラウス・ノミ
- スラヴァ
- 上杉清仁
- 青木洋也
- 太刀川昭
- 米良美一
- 本岩孝之
- 藤岡宣男
- 田中栄吉
- 菊池大翼
- 丹羽勝海
- 岡田孝
- 萩原智