夜久野町
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
夜久野町(やくのちょう)は、かつて京都府天田郡におかれていた町。 2006年1月1日に福知山市に編入され消滅、夜久野町域は「福知山市夜久野町」となった。
目次 |
[編集] 位置
京都府の西北部に位置し、東は京都府福知山市、西は兵庫県朝来市和田山町・山東町、南は兵庫県丹波市青垣町、北は兵庫県豊岡市但東町に接していた。JR山陰本線と国道9号線が東西に延びる。町の東部を子午線(東経135度線)が通り、「時の町」と称していた。
[編集] 地理
- 山: 居母山730.6m、鉄鋸山718.2m、田倉山 (宝山):京都府唯一の火山、竜ヶ城645.6m
- 河川:板生川、 直見川、畑川、牧川
- 板生川は、字板生から字平野に至る川で、源流は田谷の但東町境にある。直見川は字直見から字平野に至る川で、源流は才谷の但東町境にある。この二つの川が合流して牧川となる。この牧川は、中夜久野地区で末川、下夜久野地区字井田で畑川(源流は豊岡市境の字畑・今里)、千原川と合流し、福知山市牧で由良川に合流する。
[編集] 歴史
少なくとも奈良時代末期~平安時代初期より夜久郷として郷が確立していた。これは現在の夜久野町全域をカバーしていた推定されている。やがて江戸時代末期~明治初期から夜久野郷と呼ばれるようになった(下夜久野村誌 1961年12月発行より)。
[編集] 沿革
- 明治4年 廃藩置県により福知山県となり、同年天田郡は豊岡県に編入
- 明治9年 豊岡県がなくなり、夜久野は京都府となる
- 明治22年4月 市町村制により、上夜久野村(旧板生・直見・平野村)、中夜久野村(旧末・日置・高内・小倉・大油子村)、下夜久野村(旧畑・今西中・千原・井田・額田村)が誕生
- 明治44年 福知山・梁瀬間の鉄道開通。下夜久野駅、上夜久野駅ができる
- 大正7年 インフルエンザの大流行により夜久野でも多数の死者が出る
- 大正14年 夜久野高原スキー場が開かれる
- 昭和19年 都市から小学生の集団疎開が始まる
- 昭和31年10月 下夜久野村と中夜久野村が合併して夜久野町が誕生
- 昭和33年11月 夜久野町の大油子・小倉地区が上夜久野村に編入
- 昭和34年1月 上夜久野村と旧夜久野町が合併する(人口9,132人、1,870世帯)
- 昭和34年 伊勢湾台風が来襲し、大きな被害に遭う
- 昭和36年 ゲンゼ(現世)スキー場開場
- 昭和36年 第2室戸台風が来襲し、大きな被害に遭う
- 昭和58年 町制施行25周年記念式典開催
- 昭和63年 町制施行30周年記念式典開催
- 平成05年 町制施行35周年記念式典開催、宝陵・竜城中学校を統合し夜久野中学校となる
- 平成08年 夜久野高原で温泉掘削開始
- 平成10年 町制施行40周年記念式典開催
- 平成11年 「農匠の郷やくの」がオープン
- 平成15年 福知山市・三和町・夜久野町・大江町の1市3町法定合併協議会を設置
- 平成17年 福知山市・三和町・夜久野町・大江町の1市3町合併協定に調印
- 2006年1月 大江町、三和町、福知山市と合併(福知山市への編入)。当初は2005年3月の予定であったが、大江町、福知山市を中心とした台風23号の被害(2005年10月:当町も過去50年間で最大の被害)により、大幅に遅れる。合併協議会長(当時・福知山市長)の病気辞職(後に死去)による選挙も遅れの原因とされる。特筆すべきは住民の間から住民投票条例制定請求(住民の62%の署名)の動きがあったことである(合併については、下記参照)。
[編集] 人口
2005年11月末日現在 4,721人(世帯数1,666戸)
[編集] 行政
- 町長 大江輝久夫(2005年12月31日まで)
- 夜久野町役場(本庁) 京都府天田郡夜久野町字額田1392-1 Tel 0773-37-1101
- 町役場は、2006年1月1日より福知山市役所夜久野支所となり、事務所を教育文化会館に移転
- 旧夜久野町内の住所表示は、天田郡を福知山市に変更し、これまで用いてきた字名を使用しない
- 郵便番号はこれまで通りでよい
- 福知山市・三和町・夜久野町・大江町合併協議会
[編集] 経済
町民の多くが福知山市方面へ通勤・通学しているため、福知山市との経済的な結びつきが強い。しかし、福知山市へは距離にして約25キロ、時間にして約30分(自動車の場合)かかるため、上地区を中心にその半分ですむ兵庫県朝来市方面への就労、買い物が増えている。
[編集] 通信
インターネット環境では、NTTのフレッツADSLとISDNの接続が可能である。フレッツADSLは8Mと1.5Mのみで、他のADSL、光ファイバー等の拡大予定エリアにも入っていない。
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 国内
[編集] 教育
- 上記4校とも2006年1月1日より福知山市立となった。
[編集] 交通
[編集] 鉄道
町内にはJR山陰本線が通り、上夜久野駅と下夜久野駅とがある。特に上夜久野駅周辺は夜久野高原の中腹に位置するため、上り下りとも急勾配が続き、難所だったところ。現在は、JR福知山線、山陰本線の電化に伴い京都、大阪、城崎方面へは格別に便利になった。ただし上夜久野駅と下夜久野駅ともに無人駅で、特急列車は止まらない。
[編集] 道路
山陰本線とほぼ平行して国道9号が走り、日本海側と京阪神とを結ぶ動脈となっており交通量も多いが、一方で、歩道が未整備の所(中地区字日置など)もあり歩行者や自転車は危険を伴う。また、冬場は多少の積雪量があり、交通の妨げになることが多い。山間部(町北部=字板生・北部、字直見・北部、字畑など)では積雪が1メートルを超えることもある。ただし主な町道(と府道)は通勤・通学時間前には除雪車が入るので通常の積雪で困ることはない。
バスは、以前は、全但バス(株)が上夜久野駅~但東町・出合間を運行していたが、廃止になった。また京都交通(株)のバスが上地区:板生(田谷)・直見(才谷)、下地区:畑(今里)~福知山間を走っていたが、路線縮小のために現在は下夜久野駅までとなっている。町では、町民の足を確保すべく町営バス(時刻表[5])を従来の地区に加え、今までバス停・駅から3㎞以上あり不便だった中地区:末、下地区:千原、小畑にも運行を開始ししているが、日曜・法定休日、年末年始6日間は運休しているので注意が必要である。
高速道路、自動車専用道路は通っておらず、今後の計画にも入っていない。中国自動車道や山陽自動車道を利用するには、舞鶴若狭道福知山ICに行くか播但自動車道和田山ICに行くしかない。現在、舞鶴道春日IC・播但道和田山IC間の工事が行われており、朝来市山東町内にICができれば最も近くなる。
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 道の駅農匠の郷やくの
- 夜久野高原温泉「ほっこり館」
- 自然休養村管理センター「夜久野荘」
- 丹波戦国料理「やくの本陣」
- 夜久野黒豆そば「夜久野マルシェ」
- 茶室「やくの一道庵」
- 丹波菓子の里「やくの花あずき館」
- 「やくの木と漆の館」
- 「やくのベゴニア園」
- 夜久野郷土資料館
- 匠の郷「やくの高原市」
- その他、テニスコート、アスレチック、グラウンドゴルフコース、広場等あり
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
このページはウィキプロジェクト 日本の市町村のテンプレートを使用しています。
カテゴリ: 京都府の市町村 (廃止) | 福知山市 | 日本の市町村のスタブ項目