大学別曹
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大学別曹(だいがくべっそう)は大学寮の付属機関である。
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[編集] 概要
大学寮の学生は通常、寮内に寄宿していた。しかし平安時代になって有力氏族が相次いで寮の外に一族用の寄宿舎を建設した。それらのうち特に朝廷に認められたものを大学寮の寄宿舎を直曹(じきそう)というのに対して大学別曹と呼んた。
大学別曹は公的な寄宿舎ではないため各氏の氏長者・是定(ぜじょう)の下で管理されたが、のちには荘園や大学寮の任官試験を経ずに官職に就く特権(年挙)が与えられた。各氏の衰えとともに別曹も荒廃し藤原氏の勧学院以外は形式のみとなった。ただし、形式のみといっても院政期からは「淳和奨学両院別当」という称号が作られのちに足利将軍・徳川将軍の称号の一つとなる。
[編集] 大学別曹の一覧
(設置順)
- 勧学院(大学南曹) 藤原氏によって弘仁十二年(821年)に創建され、貞観十四年(872年)以前に公認 藤原氏の施設
- 学館院 橘嘉智子・氏公によって承和四年(847年)以前に創建され、康保元年(964年)に公認 橘氏の施設
- 奨学院(大学南曹) 在原行平により元慶五年(881年)創建され、昌泰三年(900年)に公認 王氏の施設
- 弘文院 和気広世によって延暦年間に創建 公認されたかどうかは不明
[編集] 備考
淳和院は別曹ではなく後院である。「淳和奨学両院別当」など別曹と並列して書かれることがあるので注意。
[編集] 関連項目
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