大貝獣物語 THE MIRACLE OF THE ZONE
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大貝獣物語 THE MIRACLE OF THE ZONE(略称、MOZ)は、天田印刷加工から発売されていたトレーディングカードゲーム。販売元はフューチャー・ビー。ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)&ハドソンから発売されていたコンピュータRPG、貝獣物語~大貝獣物語シリーズの流れを汲んだカードゲームである。1997年頃から発売されていた。
後継のミラクルVマスターへと引き継がれる形で、新シリーズ及び公式大会の開催が行われる事はなくなった。
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[編集] 概要
召喚士が召喚獣を召喚し、互いの強さ(合計パワー)を競う。自分の使う召喚士が勝利するごとに勝利ポイントが加算され、そのポイントが50を上回ると勝利となる。
一見、弱いカードだらけに見えても、コンボによる逆転や、SPカードによる更なる逆転と相殺、補助カードによる攻防など、カードの効果を使った逆転(奇跡)に主眼が置かれている。そのため、互いに自分の手を進めながら相手に攻撃、または相手からの攻撃を防御する必要があり、大味でありながら、細やかな心理戦も必要とされる。
タイトルの通り、貝獣物語シリーズのキャラクターが登場する。その他にはMOZオリジナルのキャラクター、また少数だがコミックボンボン誌上で公募されたオリジナルキャラクターも存在する。 このカードゲームを題材とした漫画「召喚王レクス」に登場するキャラクターも、正式に使用できるカードとして存在する。
[編集] カードの種類
[編集] 召喚士カード
- 召喚士としてのレベル、抜き手スピード、特殊能力、+補正、性別、年齢、召喚属性マークが与えられている。召喚士は召喚属性マークに応じた召喚獣しか召喚できない。基本的にレベルの高い召喚士の方が強力である。特出したメリットを持っている召喚士には、逆に特徴的な弱点が存在する事も多い。デッキには低レベルな召喚士が必須で、高レベルな召喚士には枚数制限が課せられている。
[編集] 召喚獣カード
- 属性、サブ属性、パワー、特殊能力が与えられている。パワーが低い代わりに強力な特殊能力を備える召喚獣や、トリッキーな特種能力を持つ召喚獣など、個性は様々である。
[編集] 補助カード
[編集] ヘルプカード
- 召喚士とその召喚獣を補助するカード。召喚獣カードがコンボの要件を満たしていても、このカードが出ていないとコンボは成立しない。
[編集] チェンジカード
- 召喚士の召喚属性マークを変更できる。召喚獣とセットで使用する。
[編集] リバースカード
- 墓場(ホール)から召喚獣を復活させる事ができる。ホールの召喚獣とセットで使用する。
[編集] スペシャルカード
- 最後のSP勝負で使用するカード。天災系、悪魔の所業、天の奇跡は、他のスペシャルカードに優先して効果が発揮される。
- 双方ともに同じカードを出すと、効果が相殺される。
[編集] スペシャル&ヘルプカード
- スペシャルカードとしてもヘルプカードとしても使用できるカード。
[編集] 基本的な遊び方
二人のプレイヤーで対戦を行う。プレイヤーは5人の召喚士カードと、50枚の召喚獣・補助カードで構成されたデッキを用意する。後者の50枚がゾーン(山札)となる。尚、デッキには同じカード及びパラレルカード(番号が同じでAやB等がついているカード)を複数枚入れることが出来ない。
まず召喚士を使用する順序を決める。最初に使用するカードが上になるように、カードを裏返しにして置く。
次に互いのゾーンをシャッフルし終えたら、自分のゾーンから手札を7枚ドローする。
互いの召喚士を一人ずつ出し、先攻・後攻を決める。召喚士ごとに決められている抜き手が大きい方が先攻となる(抜き手が同じ場合は、ジャンケンで決定される)。先攻から交互に、ゾーンからカードを1枚ドローし、手札から召喚獣を召喚する、もしくは補助カードを使用する。互いに3体の召喚獣と、1枚のヘルプカードを使用するまでこれを繰り返す。出せるカードがない場合、何らかのカードを裏返しにした状態で出す。
この時点で、ひとまず互いのパワーを比較する。召喚獣3体のパワーの合計値、召喚士の能力による補正、互いの補助カードによる補正により、双方のパワーが求まる。このパワーの多い召喚士が勝利を治める。
ただし、MOZではコンボ(ポーカーでいう役)を完成させた場合、パワーに関わらずコンボを完成させた側の勝ちになる。互いにコンボを完成させていた場合、より強いコンボを揃えた側の勝ちになる。同じ強さのコンボを互いに揃えた場合は、コンボが完成していない時と同じく、パワーの大きい側の勝ちとなる。
最後に双方のプレイヤーに対して、スペシャル(以降、SP)カードを使用するチャンスが与えられる。SPカードを使用するかどうかは任意である。使用するかどうかは、現時点で負けているプレイヤー(このまま互いに何もしなければ負ける側)が先に使用するかどうかの意思を表明しなければならない。SPカードを使用する場合は、互いに手札からSPカードを選び、同時に使用する(効果は先攻から現れる)。SPカード使用時に互いが同じカードを使用した場合は、効果が相殺され無効化される。SPカードを使用する事により、逆転を狙えるばかりか勝利ポイントの底上げも狙えるが、SPカードを出す際はゾーンからカードをドローできないので手札が減るリスクも負う。
勝利ポイントは、召喚士を除いた場に出されているカード(双方のを含める)の総数(1枚1ポイント)×コンボの倍率で求まる。この勝利ポイントを50集めたプレイヤーの勝利となる。引き分けの場合には勝利ポイントは保留され、次の勝者が獲得する事になる。ただし保留ポイントは、コンボによって倍化されない。
こうして一人目の召喚士の出番が終わったら、二人目、三人目と勝負を進めていく。勝負が終わるごとに使用されたカードは、召喚士を除いて墓場(ホール)に送られる。出番を終えた召喚士は表向きに待機させらる。五人の召喚士が戦っても決着がつかない場合、互いにまた召喚士の順番を決め、勝負を続行する。
[編集] コンボの種類
優先順位の低い順に記述する。
[編集] フラッシュコンボ
- 召喚獣の属性が全て同じである場合に、勝利ポイントを2倍にする。
[編集] アニマルコンボ
- 召喚獣のサブ属性が全て(獣)(魚)(鳥)のいずれかである場合に、勝利ポイントを3倍にする。
[編集] ハリケーンコンボ
- 召喚獣のパワーが全て同じ場合に、勝利ポイントを4倍にする。
[編集] セクシーコンボ
- 召喚獣のサブ属性が全て(女)である場合に、勝利ポイントを4倍にする。
[編集] 貝獣コンボ
- 召喚獣の属性が全て(貝)である場合に、勝利ポイントを4倍にする。
[編集] ドラゴンコンボ
- 召喚獣のサブ属性が全て(竜)である場合に、勝利ポイントを4倍にする。
[編集] マッスルコンボ
- 特定のカードを使用し、召喚獣のサブ属性が全て(男)である場合に、勝利ポイントを4倍にする。優先順位はドラゴンコンボと同位。
[編集] フラッシュハリケーンコンボ
- 召喚獣のパワーと属性が全て同じである場合に、勝利ポイントを5倍する。
[編集] 100ドラゴンコンボ
- 召喚獣のサブ属性が全て(竜)であり、かつパワーが全て100である場合に、勝利ポイントを5倍する。
[編集] マイナスハリケーンコンボ
- 召喚獣のパワーが全て-100である場合に、勝利ポイントを6倍する。
[編集] 貝竜コンボ
- 召喚獣の属性が全て(貝)であり、かつサブ属性が全て(竜)である場合に、勝利ポイントを6倍する。
[編集] 特殊なカード
MOZには一部、特殊なルールが適用されるカードが存在する。 この項目ではそれらのカードについて説明する。
[編集] 天災
- このカードが出された時点で、その召喚士の戦いは強制的に引き分けにされる。
- シェルター等、専用のカードでのみ防ぐ事が出来る。
[編集] シェルター
- 唯一、天災を防ぐ事ができるカード。
- シェルターと同等の能力を持つカードに、コスモバリア等がある。
[編集] 悪魔の所業
- 相手召喚士・召喚獣の能力、ヘルプカード、スペシャルカード、スペシャル&ヘルプカードの効果を無効にする(回復不能の効果を除く)。
- 相手が天災を出したときは無効化される。
[編集] 天の奇跡
- 召還獣のブロック等、相手に妨害されていた効果を回復できる(回復不能の効果を除く)。
- 悪魔の所業や天災からの効果は回復できない。
[編集] SP封じ
- 相手のスペシャルカードを封じる特殊な召喚獣。
- 通常のカードではブロックできず、SP封じをブロックする専用のカードを使わない限り、この効果は無効化できない。
[編集] 枚数制限
一部のカードには、同等の効果のあるカードについて枚数制限が課されている。
[編集] 召還師
- Lv.1 ~ 2、Lv.3 ~ 4
- この中から最低1人ずつは選出しなければならない。
- Lv.5、Lv.6、Lv.7
- この中からは、最高1人ずつしか選出出来ない。
- Lv.0、Lv.∞
- これらのカードは、カードごとにどう扱うかが示されている。
- 一般的にLv.0はLv.1と、Lv.∞はLv.7と同等に扱われる。
- 軍団
- 一部の召還師には所属する軍団が設定されており、デッキに入れる際には召還師は全員同じ軍団でなくてはならない。その分軍団専用カードは強力に設定されている。
[編集] 1枚しか入れることが出来ないカード
- 天災
- 悪魔の所業
- 天の奇跡
- 送還系のカード
- チェンジ
- 同属性・属性無視それぞれ1枚ずつ。
[編集] 枚数制限のあるカード
- SP封じ
- 2枚までしかデッキに入れることが出来ない。
- 神の障壁・ブロックマン
- 双方から合わせて3枚までしかデッキに入れることが出来ない。
- 100パワードラゴン
- 5枚までしかデッキに入れることが出来ない。
- 同パワーの召還獣
- 12枚までしかデッキに入れることが出来ない。
[編集] 関連作品
[編集] コンピュータゲーム
- 大貝獣物語 ザ・ミラクル オブ ザ・ゾーン - 1998年3月5日(ゲームボーイ)※上記のカードゲームをモチーフとしたコンピュータゲーム。
- 大貝獣物語 ザ・ミラクル オブ ザ・ゾーンII1999年3月19日(ゲームボーイ)
[編集] 漫画
- 召喚王レクス(原裕朗/公弥杏捺)
- MOZ召喚王レクス2(原裕朗/公弥杏捺)
[編集] 関連項目
- バースデイ - 同作品の著作権者。