季節労働
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季節労働(きせつろうどう)とは、冬季に積雪を迎える地域において、積雪などで事業ができないために就労する労働のこと。また、季節労働をする者を季節労働者、季節労働者を雇用することを季節雇用といい、季節雇用とは逆に1年を通した雇用を通年雇用という。以下、これらの語についても併せて論じる。
[編集] 概要
冷帯や寒帯の地域では冬季に低温が続き、降雪や積雪があることにより、土木・建築関係業務や農業など第一次産業の多くが事業を行うことができない。季節労働は従事することができない冬期間に収入を得るためにする労働である。日本では北海道・東北地方・北陸地方などの日本海側の地域で顕著に見られる雇用形態である。また、季節労働で収入を得る以外にも雇用保険を受給することで冬を過ごす世帯もある。
[編集] なぜ冬に仕事ができないか
冬季は以下の理由により、従前の方法を用いる限りでは事業を遂行できない。
- 土木業・建築業
- 土木現場で施工されるコンクリートや盛り土に周囲の雪が混入し、十分に締め固めることができなかったり、締め固めた後でも混入した雪が春になって溶け出すことで隙間ができ、十分な強度を持つことができないため。
- 農業
- 低温により、作物そのものが育たない。
[編集] 通年施工
積雪など自然条件の厳しい冬期間にも住宅などを建築し、1年を通じて事業を継続する試みがある。これにより、1年を通じて雇用が発生し、経営も好循環することが期待される。そして、雇用保険の必要がなくなる。