孤独な自転車乗り
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孤独な自転車乗り (The Adventure of the Solitary Cyclist、1905年)は、アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ作品の1つ。「ストランド・マガジン」1904年1月号、「コリヤーズ・マガジン」1903年12月26日号初出。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
ヴァイオレット・スミス嬢がシャーロック・ホームズのもとに依頼に訪れる。彼女はカラザース氏の屋敷で1人娘の音楽の家庭教師をしている。主人のカラザースは申し分ない紳士だが客人としてやってくるウッドリという下品な男に露骨に色目を使われる事が不快であった。スミス嬢は毎週土曜日住み込みの屋敷からロンドンへ帰り、翌月曜日には屋敷へ戻ってくる。その間寂しい一本道を自転車に乗るのだが、その度に後ろを黒ずくめの男がつけてきているのに気づき、不安だというのだ。
スミス嬢にはすでに婚約者がいるのだが、カラザース氏から求婚され、断ったことで屋敷に居づらくなり、次の土曜日で家庭教師の職を辞するという。その土曜日、よからぬ陰謀の気配を感じたホームズとワトスンはスミス嬢の元を訪れるが、彼女は何者かに連れ去られてしまったあとだった。
「結婚式を挙げようとしていた」とは「強姦されていた」ということを指す模様。 当時の人にはこのような比喩でも十分通用したらしい。
[編集] 年代について
ワトスンは事件の始まった日を1895年4月23日の土曜日と記している。ところがこの日は火曜日であり、研究家の中には4月13日(この日は土曜日)を23日と書き誤ったのではないか、と考えているものがいる。