学習
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学習(がくしゅう、英: learning)とは、実体験や伝聞などによる経験を蓄えることである。生理学や心理学においては、経験によって動物(人間を含め)の行動が変容することを指す。
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[編集] 一般的な学習
一般的には、学んで知識を理解したり記憶したりすることを指して学習という。学びと呼ばれることもある。学校における学習は、広く明示された教育目的や教育目標などに基づいて教員が支援するものであり、学習者が主体となって進められる。
[編集] 学習と教育
学校における学習は、教師の視点から見れば教育であるが、学生生徒の視点から見れば学習である。 独学の場合は学習である。
教育については教育学という学問が確立されているが、学習についてはまだ発展途上にある。なお、認知科学(認知心理学)や脳科学には、学習に関する研究も多い。
[編集] 心理学における学習
心理学における学習は、一般的な学習という言葉よりも広い意味を持つ。学校や塾で行われる勉強だけでなく、自転車をこげるようになったり、料理を作れるようになる事も心理学における学習には含まれる。練習量と反応時間の関係は学習曲線によって表される。なお、このような考え方は、教育現場でも用いられる。
[編集] 集中学習と分散学習
時間間隔を置かずに学習する事を集中学習という。 時間間隔を置いて学習する事を分散学習という。
次のような理由で、一般的には分散学習のほうが効率的だと言われている。
- 分散学習では、休憩中に学習した内容をリハーサルする事が可能である。
- 分散学習の方が、学習対象に注意を集中しやすい。
- 分散学習の方が、様々な視点から学習対象の符号化を行いやすい。
[編集] 全体法と部分法
始めから終わりまでまるごと学習する事を全体法という。全体法は全習法とも呼ばれる。 一般的には、全体法の方が効率的だと言われている。 部分に分割して、部分ごとに学習する事を部分法という。部分法は分習法とも呼ばれる。
知能が高い人や年長者、学習が進んだ状態では全習法の方が効率的である。 知能が高くない人や年少者、学習が進んでいない状態では分習法の方が効率的である。
しかし、他人の人の勉強法をそのままマネするのは良くないという意見もある。[要出典]
[編集] 情報工学における学習
情報工学においては、コンピュータが問題の最適解を求める過程でプログラマから解法を与えられるのではなく、試行錯誤とその結果をフィードバックすることによってよりよい解法へ近づいていく動作のことを指す。例として、日本語入力システムの変換結果学習など。
[編集] スキーマと学習
新しいスキーマ(一般に、物事を理解したり、一連の行動をとったりする際に利用される体系的な知識のことを、スキーマと呼んでいる)をつくることを構造化という。 もともとのスキーマに新しい知識を加えることをつけ加えという。 もともとのスキーマを新しい目的に合うように変形することを同調という。