富士見ドラゴンブック
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富士見ドラゴンブックは1985年に富士見書房より創刊されたテーブルトークRPG(TRPG)を中心にしたアナログゲーム関係の文庫レーベル。
TRPGの文庫版ルールブックやサプリメント、リプレイ、ガイドブック(「○○がよく分かる本」シリーズ)などがこのレーベルに所属する。ただし、リプレイのノベライズや外伝小説は、富士見ファンタジア文庫から出版されるのが通例である。一方で、特定のゲームの小説化ではない、TRPGプレイヤーそのものを主人公にした青春小説『ひと夏の経験値』(秋口ぎぐる著)は、読者層がTRPG経験者にほぼ限定される題材のためか、このレーベルに属する。
TRPGに限らず、富士見書房が出版しているアナログゲーム関係の文庫本は基本的にこのレーベルに属する。創刊初期である1980年代はゲームブックがレーベルの中核を占めていて、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のゲームブックシリーズや『ブラッドソード』シリーズなどいくつもの海外製の名作ゲームの翻訳を行っており、翻訳以外にもも『ダーティペア』のゲームブックシリーズなどが日本オリジナルゲームとして製作されていた。1990年代以降はトレーディングカードゲーム解説書などもこのレーベルで出されるようになった。(モンスターコレクションTCG関係など)
また、過去には姉妹レーベルとして「富士見ドラゴンノベルズ」が存在していた。これは『ドラゴンランス』シリーズなどの、テーブルトークRPGとかかわりの深い海外小説作品の翻訳を出版するレーベルで、トラベラーやバトルテックなどの小説も翻訳されていた。
1990年代前半のTRPGブーム期では、様々な出版社が富士見ドラゴンブックに相当するものとしてTRPG用の文庫レーベルを作り出した。角川書店(角川スニーカーG文庫)、アスペクト(ログアウト冒険文庫)、メディアワークス(電撃ゲーム文庫)など、次々とレーベルが発刊されたが、「テーブルトークRPG冬の時代」に入り母体の雑誌が休刊したのと同時にレーベルも停止してしまっている。
現在、エンターブレイン(ファミ通文庫)やジャイブ(ジャイブTRPGシリーズ)などからもこうしたTRPG関連文庫本は発行されているが、これらは21世紀に入ってから生まれたレーベルであったり、レーベル自体は過去からあったがTRPG関連書籍が出るようになったのが近年だったりするものである(ただし、ファミ通文庫はログアウト冒険文庫の後継という見方もすればTRPG関連書籍の出版にそれなりの歴史を持つ)。
1980年代より現在まで続いている富士見ドラゴンブックはこれらよりも遥かに長い歴史を誇る老舗レーベルとなっており、特にリプレイに強みを持っている。
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カテゴリ: テーブルトークRPG | 富士見書房