富永譲
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富永 譲(とみなが ゆずる、1943年 - )は日本の建築家。
1943年、台湾の台北市に生まれる(本籍は奈良県大和郡山市)。1967年、東京大学工学部建築学科卒業。1967年から1972年にかけて菊竹清訓建築設計事務所に所属。1972年に富永譲+フォルム・システム研究所を設立し主宰するかたわら、多くの大学で教える。現在は法政大学教授。
個人住宅から近年の大きな建物まで、富永譲はその計画と作品を通して、しばしば白く、構造から独立した、ル・コルビュジエ的「純粋直方体(prisme pur)」を進化させる努力を続けているが、それは機械の時代の美学からは解放された、彼独自の「建築の詩」に基づいている。この試みによって、諸々の幾何学的ヴォリュームを人間的尺度の時空の調和のなかで組み合わせることを断念せずに、彼は現代社会の具体的要請に応えることに成功している。ひらたタウンセンター(医療・福祉部門と文化部門がそれぞれ2000年と2002年に竣工、2003年日本建築学会賞作品賞)はその最も完成された例である。
[編集] 主要作品
- 1973 青山南町の住宅、東京
- 1976 香取宝飾店、東京
- 1977 上田の住宅、長野
- 1978 小田原の住宅、神奈川
- 1980 経堂の住宅、東京
- 1984 新ゆりグリーンタウン、神奈川
- 1986 荏田の住宅、神奈川
- 1992 Topoi(土橋邸)、静岡
- 1993 熊本市営新地団地C(くまもとアートポリス参加プロジェクト)
- 1994 ホテル・ザ・クレイン、神奈川
- 1994 大船の住宅、神奈川
- 1997 駒込曙町の住宅、東京
- 1998 今井ニュータウン(Dブロック)、長野
- 1999 茨城県営長町アパート
- 2002 ひらたタウンセンター、山形
- 2002 エンゼル病院、福岡
- 2006 成増高等看護学校、東京
[編集] 主要著作
- 現代建築 空間と方法、1986、同朋社出版会
- 近代建築の空間再読、1986、彰国社
- ル コルビュジエ 幾何学と人間の尺度、1988、丸善
- 建築家の住宅論、1997、鹿島出版会
- ル コルビュジエ 建築の詩、2003、鹿島出版会