対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約
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対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約(たいじんじらいのしよう、ちょぞう、せいさんおよびいじょうのきんしならびにはいきにかんするじょうやく、英称 Convention on the Prohibition of the Use, Stockpiling, Production and Transfer of Anti-Personnel Mines and on their Destruction)とは、国際的に対人地雷を規制している国際条約のことである。
対人地雷禁止条約(たいじんじらいきんしじょうやく、英称 Convention on the Prohibition of Anti-Personnel Mines)、オタワ条約(オタワじょうやく、英称 Ottawa Treaty)などとも呼ばれる。この条約は、対人地雷の使用、開発、生産、貯蔵、保有、移譲などを禁止している。締約国は、この条約で禁止されている活動について他国を援助、勧誘、奨励することを禁止される。締結国は、すべての対人地雷を廃棄し、撤廃を確保しなければならなず、そのための立法上、行政上、その他のあらゆる適当な措置を(罰則をもうけることを含む。)をとる義務がある。
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[編集] 経過
1991年、アメリカのNGO・米国ベトナム退役軍人財団とドイツのNGOメディコインターナショナルが対人地雷全面禁止に向けてキャンペーンを立ち上げることで合意したことが端緒となり、1992年に欧米の6団体がニューヨークで「地雷禁止国際キャンペーン」(ICBL)を発足、以後世界的な運動となる。1995年には、 世界初の「対人地雷の製造、使用、輸出、移譲禁止法」がベルギーで成立し、EUが対人地雷禁止に向けて共同行動を決定、1996年にカナダのオタワで対人地雷全面禁止に向けた国際会議が開かれ、1997年に対人地雷禁止条約の起草会議がオスロで開かれ、条文が作成された。
ICBLとコーディネーターのジョディ・ウィリアムズはその活動が評価され、1997年のノーベル平和賞を受賞した。(ICBLには60ヵ国以上から1000を超えるNGOが参加していた。)
[編集] 日本
[編集] 運用検討会議
2004年11月28日から12月3日まで、ナイロビにおいて、条約初の運用検討会議が開かれる。会議では、地雷廃絶に向けた今後の取り組みが議論され、ナイロビ宣言及び今後5年間の行動計画が採択される。この会議は、「ナイロビ・サミット」とも呼ばれ、締約国143カ国の代表が出席した。 日本は、今回の会議で、貯蔵地雷の破壊を監督する常設委員会の幹事に立候補しており、承認されれば2006年から委員会の共同議長国となる。
[編集] 問題・課題
地雷を多数保有しているアメリカや中国、ロシアが締約国となっていない。(意外なイメージがあるがフィンランドも批准していない。これは冷戦下、ソ連に対する防衛上の問題から地雷を大量保有しているためである)この他、約40ヶ国がまだ締約国となっていない。さらに、地雷廃絶日本キャンペーン (JCBL) からは、非締約国との合同軍事作戦における地雷の取り扱いや、財政支援が地雷の除去に偏っている点などにつき批判が出ている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約(地雷廃絶日本キャンペーン、JCBL, Japan Campaign to Ban Landmines)
- わが国の対人地雷問題への取り組み(外務省)