尿路結石
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尿路結石(にょうろけっせき)とは、尿路系に沈着する結晶の石である。または、詰まってしまう症状。
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[編集] 分類
[編集] 部位による分類
日本人の場合、95%以上は腎結石または尿管結石である。
- 腎結石
- 尿管結石
- 膀胱結石
[編集] 成分による分類
- 尿酸結石
- シスチン結石
- リン酸結石
- シュウ酸結石など
[編集] 治療
尿路結石は、発症すると激痛を伴うことが多いので早急な対処が求められる。また、5mm以下の尿管結石では結石が尿管を通過するとそれまでの激痛が急激に消失する。検査で尿管結石が疑われた場合は、鎮痛剤を用いて自然排出されるまで経過観察することもある。
[編集] 薬物療法
5mm以下の尿管結石が疑われる場合には、鎮痛剤が投与される事がある。結石が5mm以上で自然排出が期待できない場合には有効な薬剤は存在しない。
[編集] 体外衝撃波結石破砕術
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は、最も負担の少ない治療法の一つである。体外の装置によって造られた衝撃波を結石にむけて集中させて結石を砕き、砂状にして尿と一緒に体外へと排出させる治療法である。 その原理は、衝撃波を楕円の1つの焦点(体外)から発射して、それを楕円の反射鏡で収束させて、もう1つの焦点(破砕部位)を対象となる結石に合わせて、周囲との物質の音響インピーダンスの差[尿(液体)と結石(固体)の音の伝わり方の差]を利用して破砕するものである。 ドイツのドルニエ社によって1980年代に初めて製品化され、その後破砕装置が一般化したことにより患者の負担が大いに軽減された。一回は約30分の治療時間で、複数回行うこともあるが体をメスで切らないで治療できる。 膀胱に尿を溜めて衝撃波を加えた方が効果的であるが少し痛みを伴う。また、周辺の消化器にガスが溜まっていると衝撃が緩和され効果が下がる。衝撃波を加えた直後には血尿が排泄されるが心配は無い。日帰りでの体外衝撃波結石破砕術を行っている医療機関もありこの治療方法の普及と医療費低減が望まれている。
[編集] 手術療法
体外衝撃波結石破砕術登場以後は、その件数は激減している。
[編集] 結石の核は微生物か
微生物が尿路結石の核となりうるかどうか、現在議論がある。その始まりは、1998年にフィンランドの研究者らによって、ヒトの腎臓結石から「ナノバクテリア」と名付けた細菌を分離したという発表がされてからである。つづいて、2004年4月に、岡山大泌尿器科の教授と共同研究員らは、ヒトの尿路結石の中に、アパタイト(リン酸カルシウム)殻を持つ微生物の存在を確認したと、発表した。これは、先のフィンランドの研究者らがおこなった実験を踏襲したものであり、再実験であった。議論になっていることは、実験手法についてや、微生物がいたから、それが結石の核になったかということである。
[編集] 外部リンク
- 尿管結石の治療方針 (社会保険中京病院)
- 患者さんのための腎・尿管結石の手引 (金沢医科大学泌尿器科)
- http://www.ne.jp/asahi/prostate/psa/g/genkou29.html
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