尿酸
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尿酸 | |
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IUPAC名 | 7,9-ジヒドロ-1H-プリン-2,6,8(3H)-トリオン |
分子式 | C5H4N4O3 |
分子量 | 168.11 g/mol |
CAS登録番号 | [69-93-2] |
形状 | 白色結晶 |
密度と相 | 1.87 g/cm3, 固体 |
SMILES | C12NC(=O)NC(=O)C=2NC(=O)N1 |
尿酸(にょうさん、uric acid)は、化学式が C5H4N4O3 と表されるプリン類の有機化合物で、鳥類、爬虫類の尿に含まれる白色の結晶である。
[編集] 生体における尿酸
尿酸は、鳥類や爬虫類のタンパク質代謝における最終産物である窒素化合物で、それらの生物から排泄物として体外に出される。
一方、両生類及び人をはじめとする哺乳類の場合、尿中の主要な窒素化合物は尿素、魚類の場合はアンモニアである。
これは尿酸は尿素に比べ濃縮が可能であり、体内に一時的に保持するにあたって水分をあまり必要としないためだと考えられる。ヒトではURAT1と呼ばれる尿酸トランスポーターにより近位尿細管で多く(約80%)が尿中から回収される。また、硬い殻を持つ卵から生まれることで、発生に伴って生じた窒素化合物を体外へ排出することが出来ないためとも考えられている。尿酸は非水溶性であるため、鳥類や爬虫類の糞の白い部分は、糞ではなく尿である。
ヒトの血液中では尿酸濃度は3.6 から 8.3 mg/dLである。通常、菜食主義者ではより低い値を示す。血中の尿酸濃度が高くなる病気に高尿酸血症がある。尿酸は痛風などにも関連する。血液中の尿酸濃度は UA という略号で表されることが多い。
尿酸はビタミンCよりもはるかに強力な抗酸化物質であり、体内に一定量存在することにはおおきな意義がある。
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