市場経済
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市場経済(しじょうけいざい、英 market economy)とは、市場機構(需要と供給を参照)を通じて需給調節と価格調節が行われる経済のことである。対立概念は、計画経済である。また、市場機構を重視する経済のことを、特に市場主義経済(しじょうしゅぎけいざい)や自由主義経済(じゆうしゅぎけいざい)などと呼ぶことがある。
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[編集] 特徴
市場経済を特徴づけるものとしては、次のものをあげることができる。
[編集] 市場経済の利点と欠点
市場経済は優れた経済システムであるが、「市場の失敗」と呼ばれる市場機構の限界が存在するため、これらの問題を解決するために政府が必要となっている。
[編集] 利点
市場経済は、何をどれだけ生産し、誰にどれだけ配分するかという経済の根本機能においては他の経済システムより優れている。
市場経済においては必要で不足している商品は価格が上がり、利益水準が高まるため、生産が増加する。このため、経済的需要に応えやすいメカニズムになっている。また、より利益の出せる効率のいい生産体制を持つ企業がより強い資源購買力を持つため、効率的な生産を行える者へ自然と資源配分されるシステムになっている。
このため、商品生産において過剰や過少が温存されることなく、効率的な経済となる。
競争を促進する機構が働くため労働者の勤労意欲が増し、生産力の増強・投資を誘発して経済成長が起きやすくなる。
[編集] 欠点
市場経済自体の欠点
資源配分が効率的になるが、公平になるとは限らない。このため、貧富の差が拡大する可能性がある。また不完全情報や計画段階のミス等により資源配分が非効率になる可能性も有る。
貨幣によって取引が媒介される場合が多いが、貨幣が交換だけでなく蓄蔵の機能を持っているために、市場経済に需給ギャップが発生する場合がある
生産工程が複雑化し定価取引が普及した後は価格による需給調整が行われにくく、数量による調整が行なわれ、失業や在庫が発生し効率が悪化する。
市場経済の均衡メカニズムが道徳的価値を包含しないため、誰もが反対するような結果になることがある(例:穀物価格の高騰→購入できない貧民層が増える→餓死者が出る→穀物需要が収縮→穀物価格上昇がストップ)。
市場経済が及ばないための欠点
前述の過剰生産や過少生産が温存されてしまう財・サービスにおいては市場は有効な結果を生み出せない(詳細は市場の失敗を参照)
外部経済と呼ばれる市場機構の外における価値の取引においては、人為的な調整無しに機構が働くことはなく適切な配分を達成できない。(例:環境問題)
[編集] 関連項目
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