市村羽左衛門
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市村羽左衛門(いちむらうざえもん)は、江戸市村座の座元、歌舞伎役者の名跡。屋号は橘屋。7世までは「宇左衛門」と書いた。
1652年(承応元年)、市村宇左衛門が江戸・村山座の興行権を買い取り、市村座と改称した。元々は市村座の座主であったが、元禄年間(1688年-1704年)ごろから歌舞伎俳優を兼ねた。15世以後は純然と俳優となった。
羽左衛門を名乗った名義代数は江戸時代前期から12世を数えるが、市村座座元の数に村山座座元2人と座元後見人であった名義初世を加え、17世を数える。
- 8代目(1699-1762年)…和事、実事、女形、敵役と幅広い芸風を誇った。
- 9代目(1724-1782年)…舞踏の他勇壮な役、和事、実事と8代目に劣らず幅広い芸風を誇った。
- 12代目(1812-1851年)…上品な芸風で知られた。
- 13代目(1844-1903年)…12代目の子。後に尾上菊五郎を襲名。
- 14代目(1847-1893年)…12代目の子(13代目の弟)。後の坂東家橘。
- 15代目(1874-1945年)…14代目の養子。母は旧福井藩主松平慶永の庶子池田糸、父は明治政府の要請で来日した南北戦争の英雄、ル・ジャンドル将軍であった(死後、公表された)。1881年初舞台。1893年14代目坂東家橘となり、1903年羽左衛門を襲名。市村羽左衛門 (15代目)参照。
- 16代目(1905-1952年)…15代目の養子。
- 17代目(1916-2001年)…坂東彦三郎 (6代目)の子。亀三郎、薪水を経て1942年7代目坂東彦三郎、1955年羽左衛門を襲名。
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