役作り
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役づくり(やく‐)とは、役者が役になりきる為に、演技や扮装を工夫すること。
[編集] 概要
俳優はまず与えられた脚本を熟読し、そのなかから自分が演じる役に対するイメージや演技の基本方針、大まかなタッチのようなものをつくりあげてゆく。その際、こうした作業に没頭し、寝食を忘れるほどに熱中する者もままあり、また演技のうえでのリアリティを求めるあまり、演じるべき役の人生や経験を実際に体験してみる俳優も存在する。その役柄にあった外見にするために、体重を増量させたり減量させたり、あるいは大胆な肉体改造までをする俳優もいる。日本以外の俳優にいたっては、歯の矯正、整形を行うこともある。身を削ってでも役になりきりる様は、「役者魂」と称されることがあり、俳優にとって名誉なことだろう。
だが、役作りに執念を燃やしても、作品の出来によっては良い評価をしてもらえない場合がある。また、役になりきり過ぎて、役から抜け出せなくなり、次の仕事を受けられなくなったり、己を失ってしまう俳優もいる(田宮二郎など)。
日本人俳優はハリウッド周辺の俳優に比べると大々的な役作りは行っていない模様。西田敏行は「役作りをする時間を与えてくれない、契約のなかにそのような時間を与えるという項目がないから。」と日本の映画制度の遅れが一因だと指摘している。