ジョニー・デップ
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ジョニー・デップ(Johnny Depp、本名:John Christopher Depp II(ジョン・クリストファー・デップ・二世)、1963年6月9日 - )はアメリカ合衆国ケンタッキー州オーウェンズボロ出身の俳優、映画監督、ミュージシャン。身長178cm、体重70kg。
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[編集] 来歴
土木技師のジョン・クリストファー・デップと、ウェイトレスのベティ・スー・パーマーとの間に生まれる。4人兄妹の末っ子で9歳上の兄ダン、7つ違いの姉デビーと2つ違いの姉クリスティーがいる。
両親の離婚後ミュージシャンを志し高校を退学、各地を放浪する。この頃、バンド「The Kids」を自身がリードギタリストとして率い、イギー・ポップの前座を務めたこともある(近年では、オアシスの曲やローリング・ストーンズのアルバムにもギターで参加している)。尚、1995年にはバットホール・サーファーズのギビー・ヘインズと共に「P」というバンドを結成しCDも発売している。
一時期デップと婚姻関係にあったロリ・アン・アリソンの元恋人、俳優・ニコラス・ケイジと出会い、彼の勧めで俳優に転身する。友人のオーデションについていった際にその監督から「君も出ないか?」と言われて、映画『エルム街の悪夢』でデビューし、数本の端役を経てTVシリーズ、「21ジャンプ・ストリート」で主演しティーンズのアイドルとなり一躍人気を得る。この作品では、あまり乗り気ではなく、一度断ったがプロデューサーに説得され出演を決意。テレビに出たくなかったため、やる気のない演技をしたり小細工をしたという。しかしデップ自身は、商品として自分が扱われることを好まず『クライ・ベイビー』や『シザーハンズ』を初め、次々と個性的な作品に主演。アウトローな役柄を好んで演じた。独特の作品選び・徹底した役作り・優れた演技力・容姿の美しさ等、デップを認める人間は少なからずいたが、1990年代半ば以降の出演作品は、商業的にはさほど結果が出なかったため、その点からデップは低迷している時期とも言えた。
そんなデップが2003年彼にとって異例とも言えるディズニーの娯楽超大作、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』に出演。商業的にも大成功を収めたこの作品で、デップは独創的なキャラクター造形で海賊ジャック・スパロウを演じ、アカデミー主演男優賞にノミネートされた。俳優としての爆発的な人気を得た上に、翌年にも『ネバーランド』で同賞にノミネートされ、実力派として認められた。『パイレーツ~』に出演したのは、自身の子供に勧められたからで、子供を持った事で父親のイメージが出来て人気が上り、子供に勧められた作品で爆発的人気を得た。
俳優業の傍ら1997年には『ブレイブ』で初めて監督をしている。母方の出自からインディアンの問題に関心を持ち、この映画では、居留地で希望も無く暮らすインディアンの現実を、同じくインディアンと縁の深いマーロン・ブランドの共演で描いている。
現在、パートナー(入籍はしていないが事実婚)であるヴァネッサ・パラディと、二人の子供リリー=ローズ・メロディ・デップ(1999年5月27日生)とジャック・ジョン・クリストファー・デップ・3世(2002年4月9日生)とともにフランスに住み、アメリカと南フランスの両方で生活をしている。
[編集] 人物
- ローリング・ストーンズのキース・リチャーズのファン。インタビューでも彼を「僕の生涯において、最高にすばらしい人」と絶賛していた。『パイレーツ・オブ・カリビアン3』でキースが出演するのはジョニーの強いリクエストに応えてのものであるが、そもそもジョニー自身がインタビューなどで、同シリーズのジャック・スパロウの役作りの際に「気ままに見えるジャックには、自らの美意識に忠実な現代のロックスターに通ずるものがあるのではないかと考えた」と述べ、資料から得た海賊の知識に加えてキースのイメージもダブらせていることを明らかにしている。
- 癖のあるキャラクターを好んだり、自分が演ずる人物に対する役作りのアプローチが独特なこと(例えば上記のジャック・スパロウ)がよく語られるが、『ネバーランド』で作家ジェームス・マシュー・バリーでの正統派の演技が評価されるなど、手がかりとなりそうな資料は全て目を通し、その人物をよく把握した上で説得力のある演技を見せることができるうまさを持つ。
- ヴァネッサ・パラディと出会う以前は、先に挙げたアリソンの他、女優ジェニファー・グレイ、シェリリン・フェン、ウィノナ・ライダーや、スーパーモデルケイト・モスとも交際していた。ちなみにウィノナ・ライダーと交際中、腕に「ウィノナ・フォーエヴァー」と刺青を施したが、破局後「ワィノ・フォーエヴァー(アル中よ永遠に)」に修正。その後は恋人の名を刺青にしていない。
- 他にも母親の名と、二人の子供の名、数字の3、またアルファベットの刺青を施している。なおアルファベットについては、単純に好きな文字だからと話している。
- ホテルで暴れて備品を壊すなどの事件も起こし、逮捕されたことがある。
- 本人曰く、ピエロ恐怖症らしい。しかし、なぜか連続殺人鬼ジョン・ゲイシーの描いたピエロの絵を気に入り、作品を数点所有している。
- アウトロー的な自身の性格や過去についてよく語っている。14歳でドラッグを覚えたとのこと。しかし、リバー・フェニックスと共同でハリウッド・サンセット大通りに経営していたロッククラブ「バイパールーム」で、彼がドラッグの過剰摂取により急死する事件にショックを受け、ドラッグとの縁を絶ったと言う。
- 両親の離婚歴などのためか大変な家族思いで、「家族は世界で一番大切なもの」と語る。「僕の人生は1999年5月27日(=長女誕生)を機に180度変わった。それまでの人生は霧の中にいるようなものだった」と新しい家族を得た幸福感を語り、先の刺青の他、長女が作った黄色や水色やピンクなどのカラフルなビーズで出来ているブレスレットをよく身に付けている。
- 『パイレーツ・オブ・カリビアン』の撮影で訪れたカリブ海を「ここで家族と暮らしたい」と語るほど気に入り、実際に撮影で使われた島を36億円で購入した。
- 米某有名雑誌で「世界で最もセクシーな男性」に選ばれたことがある。
- ホテルに滞在する時の偽名は、「サンタ・デル・バッチォ」もしくは「オプラ・ヌートルマントラ」。※現在も使用しているかは不明。
- 米某有名雑誌で「どん底から這い上がったセレブ」第2位に選ばれている(第1位はエミネム)。両親の離婚や生活苦から少年時代に放浪生活を強いられたため、「荷造りを見ただけでノイローゼになる」と告白している。
- 子供の頃から切り裂きジャックに興味を持ち、関連本を25冊以上持っているという(切り裂きジャックを題材にした映画フロム・ヘルにも出演している。)。
[編集] 出演作品
- エルム街の悪夢 - A Nightmare On Elm Street (1984年)
- マイアミ・ホットリゾート - Private Resort (1985年)
- プラトーン - Platoon (1986年)
- 殺しに熱きテキーラを - Slow Burn (1986年) TV映画
- 21ジャンプ・ストリート - 21 Jump Street (1987-1990年) TVドラマ
- シザーハンズ - Edward Scissorhands (1990年) ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
- クライ・ベイビー - Cry-Baby (1990年)
- アリゾナ・ドリーム - Arizona Dream (1992年)
- ギルバート・グレイプ - What's Eating Gilbert Grape (1993年)
- 妹の恋人 - Benny & Joon (1993年) ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
- エド・ウッド - Ed Wood (1994年) ゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
- ニック・オブ・タイム - Nick Of Time (1995年)
- デッドマン - Dead Man (1995年)
- ドンファン - Don Juan Demarco (1995年)
- ブレイブ - The Brave (1997年、監督・脚本・出演) 初監督作品
- フェイク - Donnie Brasco (1997年)
- ラスベガスをやっつけろ - Fear And Loathing In Las Vegas (1998年)
- GO!GO!L.A. - L.A. Without A Map (1998年)
- ビートニク - The Source (1999年)
- ナインスゲート - The Ninth Gate (1999年)
- スリーピー・ホロウ - Sleepy Hollow (1999年)
- ノイズ - The Astronaut's Wife (1999年)
- 耳に残るは君の歌声 - The Man Who Cried (2000年)
- 夜になるまえに - Before Night Falls (2000年)
- ショコラ - Chocolate (2000年)
- shane [シェイン] THE POGUES:堕ちた天使の詩 - If I Should Fall From Grace: The Shane Macgowan Story (2001年)
- ロスト・イン・ラ・マンチャ - Lost In La Mancha (2001年)
- ブロウ - Blow (2001年)
- フロム・ヘル - From Hell (2001年)
- レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード - Once Upon A Time In Mexico (2003年)
- パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち - Pirates Of The Caribbean: The Curse Of The Black Pearl (2003年) アカデミー主演男優賞&ゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
- リバティーン - The Libertine (2004年)
- フレンチなしあわせのみつけ方 - Ils Se Marierent Et Eurent Beaucoup D'enfants (2004年)
- ネバーランド - Finding Neverland (2004年) アカデミー主演男優賞&ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)ノミネート
- シークレット ウインドウ - Secret Window (2004年)
- チャーリーとチョコレート工場 - Charlie And The Chocolate Factory (2005年) ゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
- ティム・バートンのコープスブライド - Corpse Bride (2005年、声の出演)
- パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト - Pirates Of The Caribbean: Dead Man's Chest (2006年) ゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
- パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド - Pirates Of The Caribbean: At World's End (2007年)
[編集] 外部リンク
- パイレーツ・オブ・カリビアン オフィシャルサイト
- パイレーツ・オブ・カリビアンの鉄人:パイレーツ・オブ・カリビアン最新ニュースなど
- ティム・バートンJP:「スウィーニー・トッド」ニュースなど
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