恐竜家族

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

『恐竜家族』（Dinosaurs）は、日本で1995年~1996年にわたって放送された海外ドラマ。本国アメリカでは1991年 4月から1994年 7月まで放送された。

[編集] 概要

舞台は、恐竜全盛期のパンゲア大陸。このドラマでの恐竜は現在の人間と変わらない生活を送っていた。ストーリーは一話完結型で、毎回シンクレア一家が様々な問題に立ち向かっていくホームコメディ。「役者」は人間大に作られたマペット人形たちだが、そのリアルな動きや表情がきわめて人間臭い演技をすることで、リアリティのある「ドラマ」に仕上がっている。

一見すると就学前の児童向けドラマのような印象を受けるが、実際は違う。このドラマで扱う内容は各エピソードにより異なるが、反戦、環境問題、ドラッグ、セクハラ、（人）種差別、男女共同参画社会、企業のモラルハザードなど、児童には理解しにくい面がある。また大抵のエピソードではマスメディアの問題が提起されている。テレビの報道により簡単に影響されてしまう、愚かな大衆がたびたび見受けられるのが本ドラマの大きな特徴でもある。

とはいえ、コメディらしく毎回ハッピーエンドで終わる構成で、子供にも安心して見せられる番組になっている。ただし、最終話のエンディングだけは極めてシリアスで、環境破壊による（恐竜）社会の終焉を予見させるエピソードになっている。

[編集] 日本語版制作スタッフ

台本：岩本令、徐賀世子
スタッフ：加藤敏、木村絵理子、伊達康将、阿部佳代子
歌唱指導：佐々木謙
訳詞：小寺陽子

[編集] 登場キャラクター

アール・シンクレア（声：樋浦勉）: 本ドラマの主人公で、泣く子も「笑う」メガロサウルス。職業は超巨大企業We say so社の材木倒し。いい加減でやる気がなく、周りに影響されやすい。馬鹿を絵に描いたような部分もあるが、根は善良であり、視聴者の目線に一番近い人物として描かれている。
フラン（声：小宮和枝）: アールの妻で、専業主婦。アールを陰で支えるしっかり者。ロビーと並んでこのドラマの数少ない良心であるが、時々主婦業に不満を感じることもある。ちゃらんぽらんなアールにツッコミを入れる役。家族が悪い方向に流されそうな時には歯止めをかける役になるが、結局フランも流されてしまうこともある。
ロバート・マーク・シンクレア（ロビー）（声：矢尾一樹）: アールの息子で長男。人間で言うと15，6歳である。歳が歳だけにアールに反抗的な態度を見せることがある。基本的には利発でしっかりした息子。好きな恐竜もいるし、ロックが大好き。いわゆる今時の高校生である。
シャーリーン（声：松本梨香）: アールの娘でロビーの妹。欲しいものはポケベル、服など。兄のロビーほど勉強は出来ない、しかし時々鋭いところがある。流行に流されやすく、悪いボーイフレンドに夢中になってしまうことも。
ベイビー（声：安西正弘）: アールの息子で次男である。ベイビーという名前の通りまだ赤ん坊である。生まれてからシンクレア家では毎週何か事件が起こるため、名前を付け忘れたままになっており、ただ「ベイビー」で済ませている。1歳になって「あぁ、死にそうなんだ馬鹿もん」という名前をつけられたが、結局はベイビーに落ち着いた。外見はかわいらしいが、中身は最悪。アールをフライパンで「ママじゃない奴」といって、叩くのが好き。ちなみに好物は人参である。
エセル（声：京田尚子）: フランの母親。かなり意地の悪く、アールを「役立たずの太っちょの三段腹」とこき下ろし、アールはいつも悩まされている。
リッチフィールド（声：穂積隆信）: アールの上司で、金欲の塊である。普段常に怒鳴り散らし、気に入らないことがあれば食べてしまうという恐ろしい男。後に氷河期のきっかけを作った。
ロイ・ヘス（声：峰恵研）: アールの同僚でもあり親友。アールとは親友で、頼りないところはあるものの、芯はしっかりしている。未だに独身であるためか、惚れっぽいところがある。モニカに惚れたことも。
スパイク（声：塩屋浩三）: ロビーの親友。柄が悪そうだが、ロビーには恋愛をはじめ様々なアドバイスを送る。トゲロイド（ステロイドと同じ効果を持つ筋肉増強剤）にも反対しており、根は良い恐竜である。
モニカ（声：横尾まり）: フランの親友。フランの親友だけあって、しっかりものである。たまにシンクレア家に遊びに来るが、巨大な体を持つためいつも首だけの出演である。
ハワード・ハンダップミー（声：稲葉実）: DNNのニュースキャスター（CNNではない）。
エド（声：広瀬正志）
シド（声：龍田直樹）
ガス（声：緒方賢一）
ラルフ（声：梁田清之）